内田也哉子さんの動画、Harper's BAZAAR Japan(2021年12月)から。

 

ある日、著書「どうして家族を続けるの」を共著されている中野信子さんから連絡があったとのこと。

中野さんの“お友達のお友達”が沖縄の海に潜っていた時、コツンと何かにつまずいた。それをよく見ると、YAYAKO UCHIDA の名前が刻まれており、トロフィーらしきものであると気づいた。

 

内田さんは、2007年にアメリカで開催されたOne Show Designに「ブローチBrooch」(渡邊 良重さん共著)という本を出展し、Golden Pencil Award を受賞されたとのこと。そのトロフィーはその時のものらしい。出版社から受賞したと聞いてはいたものの、そのまま忘れていたとのこと。

 

トロフィーは両手の平にすっぽり収まるくらいの小さいものだけれども、ずっしりと重いようである。ゴールド色が所々黒っぽく変色しており、名前の一部がかすれて見える。

 

15年前に受賞して忘れていたトロフィーが、現在、ご縁のあるお友達を通して、内田也哉子さんの

お手元にある。

 

この出来事に内田さんは「おとぎ話のような話であり、人生にわくわくしていいんだなと気付かされた」「このミステリーはまだ紐解いていない。紐解いてしまうのはもったいないかな、と思う。

自分の中のミステリーにしたい」と話す。

 

はるか昔に、とても大切なものを失くした。小さなトルコ石がついた細い指輪、若い頃に大好きだった人が海外からのお土産に買ってきてくれたものだった。そんなに大切だと思うなら失くすな、と自分でも思うが、突然、神隠しにあったかのように消えた。ベッドやテーブルの下、部屋の隅から隅、クロゼットの奥まで探したが見つからなかった。普段は宝物として仕舞っておいた指輪である。

 

その指輪が私の手元に戻ってくるような奇跡は起こらないと思っている。

でも、どこかで、誰かが、その指輪をつけていてくれたなら、それはそれで嬉しい。

どこかで、誰かに見つけられるのを待っていると想像するのも楽しい。

 

素敵なお話に出会えてとても幸せな気分である。