「あなたが困った時、普段仲良くしている人たちは助けてくれないわよ。

 思いもしない、意外な人が力になってくれるものよ」

 

若い頃、人生経験豊かな先輩から頂いたお言葉である。

 

私はあまり人に相談することはない。ずいぶん前、一昔も二昔も前に私にとって大きな出来事が

起こり、自分の中で抑えることが出来なくて親しくしていた友人に話しを聞いてもらったことがある。

そして、とても苦い経験をした。

 

それ以来、個人的な事情で思い悩んだ時、頻繁に交流のある友人に相談するのを躊躇するように

なった。

 

いまは、適度な距離感が理想的な人間関係を築くと思っている。

幸運なことに、そのような友人が数人いる。その関係を大切にしたい。

 

つい最近、亡き友人のご主人さまから頂いたメールを何度か繰り返し読んだ。

長い文面ではないが、心からの思いがそこに綴られている。そこには彼自身の決意が書かれており、

私への特別なメッセージではないのだが、何度か読み返すうちに、何を大切にするべきか、これから

どう生きるべきか、私に語りかけてくるようであった。

 

そして今日、彼の言葉に後押しされたように、長い間連絡をとっていなかった大切な友人にメールを

送った。元気に楽しい話が出来る状態ではなかったこと、長い間連絡をしなかったことを侘びた。

 

「そんな時こそ、連絡してよ」と返信が来た。その言葉が、素直に嬉しかった。

 

心配しながら静観してくれたことを有り難く思う。

 

 

言葉にはチカラがある。その言葉は遥か遠くから私の元へ届いた。