映画 “エッフェル塔 創造者の愛” を観てきました。
映画の冒頭に“史実を基に自由に創作した”との字幕が流れます。
「どういうこと?」と一瞬考えましたが、受け取り方は人それぞれだと思います。
全体的にセピア色調のシーンが多く、また暗闇の中に灯る蝋燭やガス燈の色があたたかく、
その色調により1880年代後半へ引き込まれて行きます。
もし絵心があったなら描いてみたい場面がいくつもありましたが、
残念なことにその才能はありません。
1889年の万博のモニュメントとして建設されたエッフェル塔。
当時は無骨な鉄の建築物に反対する人も多く、デモまで起きています。
市民の反対や建設中の予想外の困難な出来事が描かれています。
映画にはエッフェル氏のラブストーリーも描かれています。
その部分も含め、1880年代後半の時代を感じることが出来る映画だと思います。
小説家・詩人のモーパッサンはエッフェル塔が嫌い故に毎日塔内のレストランへ通い、そこで
食事をしたとのこと。そこが唯一、エッフェル塔が見えない場所だからとの理由です。
この発想は「いかにもフランス人らしい」と言われているらしいのですが、
“ふっ”と笑ってしまいます。
エッフェル塔からはパリの街が一望でき、パリの街のどこからでもエッフェル塔が見えるとは、
その存在感の大きさを感じます。
現在のエッフェル塔を映像や写真集で観ると、その周りの建物やストリートなどが、エッフェル塔を
美しく見せるために作られたのではないかと思わされます。
133年前に建築されたエッフェル塔は、いくつもの時代とそこに住む人たちによって、
フランスが誇るシンボルになったのだと感じています。