明け方、夢を見た。

はっきりとした夢である。

 

叔母の家、広い客間にいる。

そこで叔母は美味しそうにお寿司を食べている。

私にも「食べなさい」と勧めてくれる。

 

叔母は堰を切ったように次から次へと話をする。

気分が高揚している様子がみえる。

 

「これはね、私が小さいからってつけてくれたの。」

と、子供のようにはしゃいで蛍光灯の長い紐に触る。

 

叔母は家中を跳ねるように軽快に歩きまわる。

 

私はいつもと違う叔母に少し戸惑っている。

 

その後、私は叔母を病院まで送り届ける。

私の母が入院していたところである。

 

「叔母ちゃん、何度も来てくれたね。母が入院している時に」私はお礼を言う。

 

叔母は病室へ戻り、床の上で絵を描いている。

 

これが夢の内容である。

夢の中で叔母はとても陽気で楽しそうであった。

元気に歩いている。美味しそうにお寿司をパクパク食べている。

 

現実では、叔母は昨年暮れから入院しており、人の手を借りなければ歩くことが出来ない。

聞き取れないくらいの小さな声で話す。食欲は何年も前からなくなっている。

喜怒哀楽の表情が少なくなり、いつも悲しそうな顔をしている。

 

もともとは明るくてお喋りで、とても元気な人である。

数年前に外で転んで足を痛めてから外出を避けるようになった。

家の中に引きこもるようになってしまったのである。

足の怪我が治り、歩けるようになっても外出はしなかった。

そして、昨年の暮れに家の中で転び骨折をしてしまったのである。

 

12年前、母が入院した時に叔母は誰よりも早く駆けつけてくれた。

何度もお見舞いに来てくれて、その度に私の食事を作って持ってきてくれた。

荷物がたくさん入った大きなリュックを背負って、雪道を歩き、

バスに乗って来てくれた。

 

8年前に母が他界した時も、変わらずに元気だった。

お葬式の段取りやその後の事までいろいろと教えてくれて

本当に助かったのである。

 

今朝の夢に現れた叔母は、その時よりもずっと元気な様子だった。

何よりも、幸せそうに見えた。

 

母が他界し8年が過ぎても、これからも、叔母への感謝の気持ちは変わらない。

だから、いつも心配になってしまう。どうしているだろうと考えてしまう。

 

叔母にはふたりの子供がいる。彼等の邪魔をしないように見守っていたいと思う。

 

今朝の夢の中で、あんなに楽しく、幸せそうな叔母をみて安心している。

でも気になったので従兄弟に連絡を取った、特に変わったことはないとのこと。

これまた安堵である。

 

叔母は、私が心配していることを察して夢に現れてくれたのかも知れない。

 

叔母ちゃん、ありがとう。