数週間前の日曜日、散歩の途中で墨田公園を通ると、”多文化交流フェスティバル”の催し物があった。
メキシコ、ボリビア、ネパール、ブラジルなどの店舗が出ており、民芸品や食べ物・飲み物などの
販売、ダンスや書道のデモンストレーションもあった。
ネパールのお店で民芸品を眺めていると、二人連れの女性が私の隣に来て物色し始めた。
「これ、可愛いわねえ」と言う声に、一瞬誰に話しかけているのだろうと間が空き、
彼女の方を振り向くと私をじっと見ている。すぐに私に話しかけているのだということを理解し、
「そうですね、2色あるんですよ。」と返事をしてしばらく軽い会話を交わした。
彼女の日本語はとても上手であったが、時おり会話の中に入るカタカナ単語のアクセントが
日本人ではないことを思わせた。
NYに住んでいた時は、まるっきり知らない人と挨拶程度に話すことが頻繁にあった。
エレベーターの中、美術館、スーパー、バス待ち、信号待ちとか。
日本に一時帰国していた時、バス停へ行きにそこにいる人に「こんにちは。」と挨拶をした。
すると相手は一歩引く。「あっ、・・・」と小さくお辞儀をするような仕草をする。
そして、顔をそらしてしまうのである。バスが来るまで、ちょっと気まずい。
そういうことが何回か続き、知らない人に挨拶することをやめた。
友人にそれを話したところ、おそらく挨拶をされた相手は「私はこの人と以前あったことが
あるのだろうか」と記憶をたどり困惑しているのではないかとのこと。
人さまを混乱させたくないので、私からは声をかけないが、声をかけられるのは大歓迎である。