SEVENUPMOM -43ページ目

キッチンで見つけたもの

父の食事の用意をしていたら
キッチンの吊り戸棚の扉に
母の文字を見つけた
何かを作ろうと思って
書き留めたメモ
母の字だ
そのメモをなでてみる
母の温もりを感じる
また
全身に込み上げる悲しみ
会いたいよ
会いたいよ

父はパパだけど、パパは優しくなかった、のに

母が病気になり
それに伴い
父と過ごす時間も増えた

父のことを
子供の頃は
パパと呼んでいた

父は
父の父、つまり私の祖父を
戦争で亡くした
だから
母子家庭で育った

父は仕事で忙しく
単身赴任期間も長かったので
家族で楽しい団欒をした記憶がない

父はどこか冷たく
情がないと思っていた

強烈な記憶に残っているのは
庭にネコが来た時に
思いっきり蹴飛ばしたことだ

だから
冷たい人と思っていたのかもしれない
いや、冷たいだろ

その父が
私が夕方に帰ろうとすると

1人は寂しいな

と、ボソッと言った

そうだね
寂しいよね
また来るから
2階には妹たちもいるし
大丈夫だよ

なんて
慌ててフォローしてみたりして

曜日感覚もあやしく
不安なんだろうな

毎週のようにゴルフをしていた人が…
若い時には
スキーで国体に出た人が…
山登りが好きだった人が…

歳をとると
こんなに弱くなってしまうんだな

大人になれない私は
それを辛いと思ってしまう
見たくないと思ってしまう

でも
受け入れなきゃいけないんだよな
母が生きていたら
どんな声をかけたかな

そう思ったら
また
泣けてきた
なんでいないのよーって
怒りたくなるよ

あら
ごめんあそばせ

って声が
聞こえてきそうだよ

ずるいなぁ
自分ばっかりそっちの
いいところに行っちゃって

そっちで会ったら
一回怒らせてくれ
もう
大変だったんだけどーって


何回も何回も…

父にお薬が出たけど
それをきちんと飲めるかが問題

今日
お薬を
朝ごはん前 朝ご飯後
昼ごはん後
夕ご飯後 寝る前
と、仕分け

これも
わからなくなるらしくて

 明日の朝の
朝ご飯前に薬を飲む
朝ごはん食べる
朝ご飯後に薬を飲む

これが難しいらしくて
何度も繰り返し
確認している

メモに
大きく
その順番を書いて置いて来た

なんだか
不安そうに繰り返し
声に出している父が
不憫で…

歳とるってこういうことなのかなぁ
難病を二つ抱えて
奥さんを亡くして
生きていく意味って何だろうって
思ってしまったよ

朝、薬飲む
朝ご飯食べる
薬飲む

できるかなぁ