この近辺にトヨタの工場が来るんですよ。
工場建設地の地名にグリーンズボロとあるんですが、実際はグリーンズボロではありません。
グリーンズボロからは南に30分。
チャペルヒルからは西に1時間。
工場なのでメインは現地の人たちの雇用になりますが、ある程度の日本人もやってくるらしいです。
そこでですよ。
トヨタご一行様はどこに住むのか!というのがちょっとした話題になっています。
さすがのトヨタ様のご家族だから、いい学区に子供を入れるだろうからグリーンズボロに住むってことはないんじゃないか。
いやいや、トヨタ様だからグリーンズボロだけど子供は私学なんじゃないか。
これまたチャペルヒルなんかに住んで、親が一生懸命通うんじゃないか。
などなど。
数年後にやってくる日系企業、みんな気になっています。
私はグリーンズボロにも住んだことがあるんです。
悪いところではありません。緑に囲まれた伸び伸びした場所です。
が、学区が良いと言われているのはグリーンズボロ市内だと北の末端の学区。ここはなんにもない地域にデカい家がボコボコ建っていて、いかにも生活に余裕がある人たちがたくさん。
あとはグリーンズボロからほど近いオークリッジやサマーフィールドといったもっとド田舎ぐらいしかいいと思う学区ではないのが私の個人的意見です。
ニューヨークなどといった超大都市を除き、アメリカのちょっとした都市部や、ド田舎の中の大きな街は街の中心になればなるほど地価は下がり、治安が悪くなるのがほとんど。
逆に都市部からある程度離れたところに金持ちが集まる場所があり、そういうところはだいたい分譲でアパートも少なく、学区がいいんです。
私がグリーンズボロで住んでいた学区もグリーンズボロのアメリカ人たちが一番いい学区と呼び、金持ちの白人がこぞって住んでいた場所でした。学区内にアパートがほぼなく、何から何まで遠いにもかかわらず医者やら会社のお偉いさんやらが住んでいました。
学区は良いですがグリーンズボロの端っこですからね。日本人家族が運よく賃貸で家を見つけられたとしても結局通勤に40分以上かける必要があるわけです。
ましてやそんなところに住んだら奥さんも大変。アジア系スーパーまで30分はかかります。
グリーンズボロ中心部に近くなればなるほど利便性はよくなりますが、学区がちょっと悪くなってしまうわけです。
ま、学区がちょっと悪くなるといってもすごい悪いわけではないんですよ。でもほら、日本から来る人はすごい心配するだろうし。あと、同じノースカロライナでもやはり研究者や駐在員の多いローリー近辺に比べると学業以外でも大きな差が出るわけです。
我が子をグリーンズボロ・チャペルヒルの両学区に入れてよーーーーくわかったのが、良い学区と言われている両学区でも勉強の内容・学校の環境・かなり違います。
チャペルヒル側はそれなりにアジア人がいるんですよ。
日本なんかよりもっとガッチガチにお勉強する中国人や韓国人がいるんです。
だから競争力も違えば、学校のアクティビティーの種類も違います。
アメリカでよくみんなが見る Great SchoolsとかNicheといった学校評価サイト。
チャペルヒルの評価はあまりよくありません。
でも、州内の特別学校(頭のいい子だけ集めた学校)を除くとここの学区の大学進学率とSAT(統一テスト)のスコアはトップ。でも評価がよくないのはなんででしょう?
それは日本の偏差値のように頭だけで評価しないから。
そこの学校にダイバーシティーがあるかどうか。いろんな人種やいろんな所得層が混ざっているか。
そして、低所得のひとたちの学力がそうでない人たちのように上がるような教育環境にあるのか。
一定人数の低所得者の人たちもいるのか。
そんな項目も評価の対象になるんです。
なので、白人オンリーで低所得者の人たちの学力が著しく低いままの学校はどれだけ学校全体の統一テストの成績がよくても学校評価サイトの評価が下がってしまう。それがSAT平均得点1300点を超える学校でも評価が8どまりの理由です。
息子の行っていたグリーンズボロの学校は学校の成績は10点中評価10点。
でも人種構成が悪く(黒人とヒスパニックが少ない)、低所得者とそうでない子供の学力の差がありすぎ、低所得者が少なすぎ(11%いたほうがいいけど実際は3%しかいない)という理由で総合評価は5。
なのでGreat SchoolsやNicheを見る人たちは総合得点だけをみるのではなく、得点構成をみるのがおすすめです。
なんせ日本人の感覚からすると低所得者が少ない=評価が下がる なんて思いませんからね。
でも子供のうちからいろんな人種・いろんな所得層と混ぜることが良しとするのが評価基準なんで。
もちろん州やエリアによって人種比率が違うので場所によって評価基準が違います。
あと、やっぱりダイバーシティーってのはある程度あったほうがいいと思いました。別に人種だけじゃなく、いろんな文化に触れ合ったり、いろんなバックグラウンド持った子供達が一つ屋根の下で学校生活を送るのは大切だなーと思いました。
グリーンズボロの息子が行った学区は人種に偏りがあり、きっとお弁当に海苔とか魚とか駄目な感じ。
が、チャペルヒルはいろんな国の人がいるんでキムチを弁当に持ってきたり、焼き魚持ってくる人いたり、息子はやりやすそうでした。