今日は久しぶりにアメリカの離婚話を。
長いし、別に面白い話でもないので、興味のない方はまた明日!
 興味ないけどまー読むかって人はトイレで大をしながらの暇つぶしにどうぞ。


ムスコは夏に父親に会いにいきます。

離婚の取り決めで父親が1年に最低2週間は子供と過ごさなければならないという取り決めがあるから(面会権)。

2週間ってのはかなり短いほうで、こっちだとだいたい数カ月~50%なんて普通。ただ50%(1年の半分)なんかになるとお互い住むところが大変になるから50%の人たちは結構大変。前の奥さん・旦那さんと近くに住んで、1週間ごとやら1か月ごとに子供が行き来をするようにしている人たちもザラにいます。

両親が離れ離れの場合は数カ月の範囲内でやるってのが普通かな。どちらにせよ面会に関しては裁判所からの判決で法的効力があるため、守らないと訴えることができるし、訴えられる可能性もあるのです。

 

私の元旦那、息子の父親は面会はバックレるわ、養育費払わないわ、本当にクソなヤツでしたが、そろそろ自分を「父親」と認識してほしいのか、父親ズラしたいのか、4年ほど前からいきなり夏にキッカリ2週間だけ会うようになりました。

アメリカの普通の親なら2週間が決まりでも、それより多く会おうと努力するんですがね、2週間という取り決めで2週間ピッタリ。

以前に一度だけ1か月会いたいと言うのでで許可したら、「1か月も面倒をみるんだから、その分の生活費を支払え」と請求してきました。お金目当てでした。お金が支払われないとわかったら、いきなり「やっぱり3週間にしてほしい、来週子供を戻す」と言ってきたほど。

 

アメリカの養育費は両親の収入・支出に加え、1年間で子供の面倒を何日みているかで金額が決まります。なので自分勝手な減額や一時請求はできないのです。

養育費の変更をしたい場合は裁判所にその希望を提出し、認められたら金額変更。それまでは1か月自分が面倒みようと、3カ月みようと、決められた額を払い続けなければなりません。なんでかって?だって、3カ月子供がいなかろうが、メインに子供を育てる親は子供と一緒に暮らせる広さの家を維持しなければならないから。子供が1か月いないから、その期間だけ小さな家に・・・というわけにはいかないので固定費はかわらないという考えです。もちろん習い事も維持している可能性だってある。そしたら大きな違いは食費ぐらい。そんなもんのために1か月の養育費はチャラなんて事はしないわけです。

もしも相手方が取り決めより多く子供と過ごし、お金がかかった場合は養育費変更の申し立てをします。

プロセスは簡単。母親側と父親側が過去3年間に何日子供と過ごし、その生活している間の子供にかかる生活費を提出するだけ。

父親側は意味もなくこれを3回繰り返しましたが、裁判所は訴えを棄却。養育費は変わりません。なんせ1年の94%、私が一緒に過ごしてるんですから。この1年だけ2週間から1か月になったところでびくともしないのです。そしたら今度は1年おきに子供を行き来させようとか言ってきました。1年私、一年あっち。そうすれば養育費がプラマイゼロになると見越したからです。そう、結局は金をどうしたら払わなくて済むかってそれだけです。子供のことなど考えていません。しかもそれを私に言うのではなく、子供にうまいこと言って私に伝言ゲームをする感じ。私が「1年あっち、1年こっちとか、学校もあるしそういうわけにはいかないんだよ」と子供に伝えると、子供は私を悪者とみて「お父さんは僕と一緒に住みたいと言っているのに、お母さんが許してくれない」という話になるんです。我が家の場合、元旦那は私と連絡を取るのを再婚した現妻より禁止されているので、子供に携帯電話を与えて子供を使って連絡をしてきます。ほんとうにやめてほしい。この数年、すべて私が悪者のように話がなってきましたが、これはもうしょうがない。そのうち子供が大きくなったらわかってくれる日がくるだろうと信じながら過ごし続けました。

あの男は養育費を何年にもわたり踏み倒した結果、ヤツの現在の収入はまず州に没収され、州から直接私に養育費が払われています。そんなことも子供は知らず、父親の一方的な入れ知恵を聞きながらティーンになりました。

 

ムスコが13歳になったとき、息子の意思で離婚の原因や今までの経緯について話すことになりました。

13歳になるとアメリカでは子供といえども「自分で良し悪しの判断ができ、それをもとに意思を持つに達する年齢」となります。

なので例えば子供が「父親に会いたくない」といえば、親は裁判を起こして、判事は13歳の子供の意見を尊重します。なのできちんとした判断ができるようになるため、13歳になって知りたかったら教えてあげると言い続けてきました。

で、13歳の誕生日の日、子供はすぐに知りたいと言ってきたので、包み隠さず教えてあげました。

それでも今年も父親に会いにいくわけだから、やはり子供にとってどんな親でも父親なんだと、悔しいけれども受け入れるしかないのだと思ってます。

 

養育費の強制天引きにかかわる給与差し押さえや、離婚協議の内容が法的効力を持ち、裁判所により強制執行がされるアメリカ。

日本よりこの部分ははるかに進んでいています。

ただ、弁護士費用のない私はここまでたどり着くのに膨大な量の書面とプロセスをこなし、数年の歳月がかかりました。これを諦めると泣き寝入りになるのですが、ガッツが取り柄の私はなんとかめげずに元旦那の居場所を突き止め、踏み倒した養育費の支払いをもらうことができました。

 

子供に離婚の理由を話したおかげか、子供が成長したせいか、父親の変な入れ知恵にも乗らなくなりおかしいと思う事にはきちんと言い返すことのできる立場になってきたようです。

 

そしてこんなドタバタ劇に巻き込まれながらも我が子のように叱るときは厳しくしかり、褒めるときは自分の喜びのように褒めてくれるマットさんに私もムスコも感謝しながら今は第2の人生を歩んでいます。

離婚をしないのが一番ですが、もしそうなった場合必ずしも「不幸」にはならないのではないかと思えるようにやっとなってきました。

それまでの長い長い道のり、精神的にも肉体的にも金銭的にも本当に大変だったし、まだまだ笑って話せるような状態ではないけれど、子供の成長とともに私も前へ進んでいるのだなと思います。