ブログの更新が遅くなりました。ごめんなさい。

暑い日が続きますので、熱中症には十分に気を付けて、夏を乗り切ってください!



さて、先日の視察で伺った、「もりおか女性センター」の活動のブログですが、好評で、皆様からさまざまなご意見をいただき、ありがとうございました。


その中で、もう少し詳しく活動内容を教えてほしい、とのご意見があり、本日は更に詳しい活動内容を書かせていただきます。





もりおか女性センター

2006年から特定非営利活動法人参画プラニング・いわてが指定管理者として、管理運営を担っている。




実施した活動


・支援物資を11人のニーズに合わせて届けるデリバリーケア

(これは先日書かせていただきました。)



・公的な支援が届きにくい被災者への支援

市町村は、法律に基づいて防災計画を策定し、避難所や避難場所を指定しているが、今回の震災では津波でこれらの施設が使えず、病院や保育園、集会所などを避難所とするケースが多かった。しかしこれらが市町村によって、公式に避難所として認められ、公的な支援物資が届くのに1か月半くらいかかった所もあり、このような、公的な支援の手が届きにくい所に決め細やかな対応を行った。




・ラジオによる情報発信

岩手県内では、電気の復旧に4か月かかった地域もあった。そのため電池式のラジオで「何かほしいものがあったらここへ連絡してください。」という、デリバリー活動支援について

伝えたところ、大きな反響があり、たくさんの電話がかかってきた。11件のニーズに合わせてきめ細やかな対応を行った。




・被災者支援の難しさ

支援や調査が二次被害となる可能性があるため、避難所で被災者のニーズを聞いて回ることは困難。そもそも避難所には、関係者以外は立ち入れない。

また、避難所への支援物資が県が集中管理しており、公的な支援は公平性・平等性が重視されるため、避難所全員分がなければ配布されない、といったことが起きる。よって、臨機応変な対応をする必要がある。そのような状況で11人のニーズに応える支援が役に立った。




・協働による相談ホットライン事業

女性の心のケア ホットライン・いわてが、発災から2か月後に開始。電話2回線で、電話相談と現地での相談会を行う。ホットラインの操舵人は2人体制で、全国から来てくれ、現地相談会は、カウンセラーと助産師が担っている。




・相談件数と内容

510日から822日までの電話相談件数は、136件。宮古市では711日から819日までの間、週3日、現地相談会を開催し、21件の相談が寄せられた。


内容としては、離婚相談やDV相談、といった家族との人間関係に関することが多い。

また、その他にも「うつがひどい」「解雇された」「夜中に波に襲われる夢を見て眠れない」「働きたくても仕事がない」といった相談があった。




・相談窓口の周知

岩手日報から情報を得た人が多かった。岩手日報は県内シェア1位の地方紙であり、毎日新聞の1面に相談電話番号を掲載し、情報提供を行った。また、チラシもポステイングも行った。




・日ごろからの助産師会との連携

助産師が避雛所を回って、血圧を測りながら被災者の話を聞いた。助産師は避難所にいる方々のお産を過去に手伝ってこともあり、話がはずむ。そういった意味で、日ごろから、他の機関や団体とのネットワークが大切。




・思春期の女児への配慮の必要性

生理用品だけでなく、生理用ショーツも届けてほしい、との依頼があり、多様なサイズのものを届けた。津波で母親を亡くしたり、姉や親せきの女性など、身近に相談できる人がいない場合もあると考えられる。思春期の女児の心とからだのケアも大切な視点。





最後に、物資を届ける活動で見えてきたこととして、「被災者のニーズは個別的であり、必要とする物資は多様。それを手にすることで、被災者は日常を取り戻すことができる。多様なニーズに対し、着実に11つ答えることが大切であり、復興につながる。」

とおっしゃっていました。今回の視察は、貴重なお話を聞くことができ、勉強になりました。