おはようございます~!

愛知県内での野生鳥獣による農作物被害は年間5億円以上にも上り、深刻な問題になっています。

一昨日、新城市で有害鳥獣の一種であるイノシシの解体・精肉加工、イノシシ料理店を営む『三河猪家』さんに視察に行ってきました。





ご存知かと思いますが、有害鳥獣とはイノシシ・カラス・ニホンザル・シカ・クマ・キツネ等が農林水産物を荒らしたり、いたずらしたり人間を襲うなどしての害を及ぼす動物ですね。


(入り口の横の壁に飾られたイノシシの剥製
迫力満点!)


これらの野生動物でカラスやサル、クマ、キツネなどは食べるのは難しいと思いますが、イノシシやシカは十分美味しく食べれるのです。
捕獲して埋めてしまうにはもったいな過ぎるのです。

イノシシはなんとなく臭いから苦手・・・という方ももしかしたら多いかもしれませんが、実際私も今回の視察で食べさせていただくまでは、なんとなくそう思っていました。でもぜ~んぜん臭くないんです。ものすごく美味しいのでびっくりしました。

三河猪家の社長は『こんな美味しいものを資源活用しないのはおかしい!!』という純粋な思いからこの事業を始められたということですが、保健所の認可取得や、農業専用地域に商業施設を開設するための許可を得るのは相当厳しかったということを振り返られていましたが、社長の頑なな熱い思いがあったからこそ、愛知県でジビエを広めるきっかけができたのだと思います。
愛知県民を代表して感謝させていただきたいです。

さて、『三河猪家』さんでは猪肉ミンチカツと猪肉コロッケ、餃子とハムもいただきましたが、どれもものすごく美味しかったです。


(イノシシ肉のミンチカツとコロッケのランチセット 750円)


(コロッケはホクホク!
ミンチカツはジューシーなお肉がギッシリ!


(イノシシ餃子(400円)は野菜がたくさん入っていて
イノシシの肉とうま~く調和されてました。)

(イノシシの肉は牛肉や豚肉と比べてビタミンB1が
多く、カルシウムは2倍以上!
必須アミノ酸やコラーゲンも多く含まれているというこです。
少ない量でもたくさんの栄養が取れるので、
美容と健康、そしてメタボにも良さそうですね。)


(三河猪家の原田社長とはい、ポーズ!)
たくさんお話を伺いました。)


三河猪家の社長さんいわく、きちんと精肉され、調理されたイノシシはまったく臭みはない!ということで、臭いと感じたものを食べたことがある方は、もしかしたら猟師さんが捕獲し、自分たちで山に流れる川で内蔵を取って血を抜いたもの(きちんと加工されていない状態のもの)を食べたのかもしれない。衛生的できちんとした精肉加工場で処置をされないと、臭みが出たりするということなのです。


(イノシシの解体作業の際、ボディーを吊るす機械。)


(解体作業の部屋)

   


(食肉加工の機械)

豚や牛、鶏など、一般的に流通している動物(家畜)に関しては、法律で屠殺場で処理し、認可を受けている施設でなければ精肉/加工できないことになっていますが、野生の鳥獣に関しては、そう言った法整備がきちんとなされておらず猟師さんが穫って自分たちで食べる分には何ら問題がないということなのです。販売することは禁じられているそうですが、猟師さんが捕獲した動物の肉を知り合いにあげたり、内緒で譲ったりということがおきているのも実際あるみたいで、このようにして流通した肉は、いつ、どこで、だれが、どのように精肉加工したのか分からず、臭みがあるものも多々あるそうなのです。

愛知県には認可を受けいる精肉加工の施設は2カ所あるそうですが、『三河猪家』さんはそのうちの貴重な1件ということです。(その他小規模施設は2件あるそうです。)
ちなみに、この2件の施設では年間500頭前後のイノシシを解体・精肉加工しているということですが、毎年捕獲量が6000~8000頭ということからすると1割にも満たない量しか有効活用(消費)されていないうことになりますね。


(たくさんの許可証を取得しなければ営業できないということです。)


最後に今後の課題を考えてみたいと思いますが、一番大切なことは、田舎の問題は都会は関係ない!というふうに考えるのではなく、舎の問題を知ることにより、都会の人間が何をできるのか?と考え、できることをやっていくこと!
今回の鳥獣被害の問題においても同じです。
ジビエはまだ肉としてはお値段は高いですし、どこでも買えるわけではないので、なかなか日常の食卓には並びにくいかもしれませんが、ジビエを扱うレストランも少しずつ増えて来ているので、そういった店にもどんどん足を運ぶようにして消費量を増やしていくことが大切なのではないでしょうか。

そしてもうひとつは、三河猪家の社長さんがおっしゃっておりましたが、現在では森林税としてひとり500円が県民税から充当されているが、ゆたかな森づくりのために森林税をもっと増やして、森を守り、野生動物に山へ帰ってもらうべきだと。
私も森林を守っていくことにもう少しお金をかけてもいいのではないかと思います。

それから、鳥獣の解体、精肉加工、品質管理に関してきちんと法整備を確立すること。
ジビエを広めていくためには必要不可欠な課題だと思います。
(猟師さんたちは、自分たちで捕獲した動物は自分たちで自由に食べたいので、きちんとした法律を作ることに関しては賛成はしないだろう!と猪家の社長さんはおっしゃってましたが、、、。)

ということで今回の視察を簡単にまとめてみましたが、
私自身にとってもとても勉強になり、有意義なものになりました。
猪家の原田社長、貴重なお時間をどうもありがとうございました。

そして帰りにたくさんのおみやげもいただきありがとうございました。




(いただいた沢山のおみやげ。)


今池のオフィスに帰って、早速、イノシシの肩肉、餃子、ハムを鉄板で焼いて地域の方々に試食していただきましたが、みなさん『美味しい~!』と感動してました。
イノシシジャーキーも好評でした。


(イノシシベーコン
ジューシーで美味しい!)


(イノシシの肩肉の焼き肉
柔らかくて美味しい~!)


yk

視察日:2013年2月4日(月)

<お知らせ>

2013年2月11日(月祝日)

午後1時から午後3時30分まで

シンポジウム「美味しく獣害対策」
 ジビエ・グルメ・スタンプラリー ゴールイン・イベント

場所:
豊田市生涯学習センター足助交流館 飯盛座(ホール)

豊田市足助町蔵ノ前16  
電話0565-62-1251


イベントのチラシ(PDF)はこちら