【19日】

グエンディチェー病院視察

★日本口唇口蓋裂協会 常務理事 夏目長門氏がこれまでに多くの子供たちの手術を手がけてきた病院

  

私たちのバスが病院に着いたところから日の丸や自国ベトナムの旗を片手にたくさんの患者さんや看護婦さんたちが出迎えてくれました。(こんなに歓迎していただけるということに感激しました。)

 

盲目の若い青年患者さんや子供の患者さんたちが、歌を歌ったり、楽器の演奏をして歓迎もしてくれました。(これもまた感動!)

 

ベトナム戦争中に枯葉剤が散布されたことにより、多大な被害が出たことは大きな社会的問題のひとつとして周知されていますが、この病院ではその枯葉剤の影響で障害を持って生まれた大勢の子供たちが口唇破裂などの手術を受けてきました。私たちを出迎えてくれた殆どの子供たちは手術を受けた子供たちでした。 



夏目先生の長年に渡る地道な活動がこのような子供たちの夢と希望のひとつの光となっているのだということを改めて感じました。


 愛知県でももっとこのような境遇の子供たちの存在を多くの人たちに知ってもらい、今後も何かの形で少しでも支援できたらと思います。

 

口唇裂傷患者自宅訪問

  

さきほどの病院で手術を受けた子供が住んでいる民家を訪問しました。生活はとても質素で、殆ど自給自足の生活をしており、日本円にして3000円程度で一家が暮らしていけるということでした。
 
  

 ニコニコと楽しそうなお父さんは、ココナッツを一生懸命割っていました。私たちもココナッツジュースをひとり一つずつごちそうになりました。

 

 印象的だったのは、家のすぐ近くに大きな立派なお墓があったこと。彼らは死んだらあそこに入るんだ、ということを意識して毎日そのお墓を見ながら暮らしているそうです。まさしく生と死を正面から受け止めて生きているというのはスゴイなぁと思いました。
  

   

ツーズー病院視察 
 

 ここホーチミン市の中心部にあるツーズー病院はベトナム一の規模の産科専門病院で、日本にもこのような大きな産科専門病院はない。ベトちゃん、ドクちゃんがこの病院で分離手術を受け、2007年25歳でベト君は亡くなってしまいましたが、ドク君は現在でもスタッフとしてこちらで働いています。

 

 ツーズー病院には親に捨てられた障害を持つ子供たちを育てる平和村という施設があります。(ドイツのNGOによって建てられたそうで、このツーズー病院を含めて全国に4カ所あるそうです。)

 お話を伺いながら通された部屋は、異常胎児の標本がたくさん保存されていました。戦争終結直後の標本とみられるものから、最近のものまで色々でした。このような液体に浸かった胎児を見るのは初めてで、本当に衝撃的でした。

 この後、重度の障害を持つ子供たちがベッドで横たわっている部屋に案内してもらいました。もう折れてしまいそうな細い腕と細い足。しかしきれいな黒い瞳が私に向かって微笑みかけてくれた時には、思わず抱きしめてあげたくなりました。

 こうしてドク君や看護婦さんたちが、私たちに病院内のいくつかの部屋を案内してくれたのですが、驚いたのはドク君の階段の上るのの速いこと! 片足1本と松葉杖だけで歩いているということを感じさせない動きに感動しました。

 ツーズー病院を出るときには、夜になっていてもう真っ暗でしたが、たくさんの外来の患者さん看護婦さんたちでにぎわっていました。

yk