<視察の概要>

今回の視察は愛知県とベトナムが友好関係を深め、相互経済協力、および医療協力を推進するために愛知県知事、愛知県議会議長、中部経済連合会会長を筆頭に愛知県議団31名でベトナムに赴きました。  

 大村秀知事は16日にベトナムのズン首相と会談し、貿易や投資、観光の3分野で、愛知県とベトナムとの協力関係を強化する考えを明らかにしました。

 

また、大村知事はベトナムの厚生省との間で覚書を交わし、ベトナムのがん治療専門の医師や看護婦を日本に招待し、1年間の医療訓練コースに招くことを決めました。
 

 大村知事はベトナム政府グエン・ティ・キム・ティエン保健相とも会談し、県がんセンター中央病院(名古屋市千種区)で、研修生としてベトナムの医師と看護士を受け入れる覚書を締結しました。(研修期間は1年で医師と看護士を年間一人ずつ受け入れるという内容)。

 今回の訪問では、県とベトナム政府は、県立病院でベトナム患者に高度な医療サービスを提供するために、具体的な手続きを定める協議を始めることでも合意いたしました。その他に、ホーチミン市と中部国際空港の直行便を現在の週3便から週4~5便に増やしていく方向で協議しました

 また、愛知県では、若者の学習支援、人材作り支援として、愛知に留学をして帰国したベトナム人学生のネットワーク作りにも力を入れており、ハノイとホーチミンに支部を設置しているので、このネットワーク(通称;バロネット)に所属するベトナム人留学生との交流会も18日にホーチミンのホテルで開催されました。

<愛知県とベトナムの経済交流の概要>

 

 ベトナムは8500万人の人口中、平均労働年齢が30歳ということです。


非常に元気で若い労働力がこれからの経済成長の主力になるので、世界から高い関心が集まっています。勤勉で優秀な人材も豊富であり、安い賃金で人材を確保できること、さらには地理的に中国華南地域に隣接していることが、中国プラスワンの投資先として注目されている要因なのではないかと思います。



 IMF(国際通貨基金)によると2010年のベトナムのGDP(国内総生産)は2019億ドルで長野県と同じくらいということですが、皆さん、ピンときますでしょうか?



 大村知事のスピーチでは、愛知県とベトナム政府は2008年3月に経済交流に関する覚書を締決し、2009年にはベトナム進出企業支援窓口としてのサポートデスクの設置や投資セミナーの開催などをベトナム政府と連携して行ない、愛知県内企業のベトナムへの進出支援を行なってきた。


県のサポートデスクでは、県内からベトナムに進出している企業(現在107社)の事業経営、運営に関する困りごとの相談やベトナム政府、地方政府の交流の橋渡しになるために愛知県としてもできる限りの努力を惜しまない、ということをおっしゃっていました。



 そしてさらに、中部経済連合会は、昨年(2011年)6月にベトナムの計画投資省と経済交流を図る覚書を締決。名古屋商工会議所も昨年9月にベトナムに企業の訪問団を派遣し、ホーチミン商工会議所も自国の訪問団を愛知に派遣し、相互の経済交流を深めるための活動を積極的に行なっているということも述べられていました。