多摩遊歩道があるというので、読売ランド前駅から出発。駅前に藁葺き屋根の家がある。案内図によると駅の北側を入り登る感じだ。こじんまりしたカフェがあり、入ってみたいような感じだ。細く一人通れるような道になり、階段を上っていく。看板があって上って行く道と平らな道の分岐点でまた合流する図が書いてある。上りを行ってみる。スズメバチに注意の看板があって怖い。この先もしょっちゅう注意書きがあってクマはなかったが、どこも怖い。散歩らしい人に出会う。



             藁葺き屋根の家


左は谷の上に住宅が並び、進むと合流地点になる。そこからは道も広くなり歩きやすい。竹林の所もあって風流だ。紅葉した木々もあって美しい。周りに住宅の気配が消え不安になると、どう見ても散歩ではない若い人に会う。その後も出会ったから、この道を使っているのだろうか。舗装道に出ると、住宅が並び、見晴らしがきく。日テレの生田スタジオも近くに見える。




             舗装道路に出て


          日テレ生田スタジオ


よみうりランドの敷地があり、菅さくら公園の中を進む。よく撮影に使われるそうだ。長い階段を下ると団地、農業技術支援センターがある。お墓が上の方に見え、寿福寺が側なのがわかる。お寺はちょうど紅葉が綺麗だ。



           菅さくら公園辺り


                


                 寿福寺


次に向かう小沢城跡の道が定かでなく、行き過ぎた様で、ナビを使って進む。入り口の看板があり、その先は階段が続き険しい。ハイキングというより山登り感もあって、ストックを持ったハイキング客にも出会う。確かにストックがあった方がいい所もある。

物見台と空堀の看板があり、この先の階段上が物見台で、かつては江戸から秩父まで、関八州が見渡せたという。今は行ってみると樹木に覆われ見えない。小沢城は鎌倉時代初期小沢小太郎の居城で、源頼朝の重臣の息子だったことから、この辺りを支配していたようだ。鎌倉道の通る交通の要衝で多摩川の広い低地や、河原を控えていたので、戦国時代まで度々合戦の舞台となった。小沢峰の北側は絶壁で多摩川が流れていて要害の土地なのに、空堀も掘ってあったらしい。小沢城はどんなものだったのだろう。物見台の上で、鎌倉時代から敵を監視していわけで、夏は蚊に襲われ、冬は寒風に晒されたのではないかと書いてあって当時が偲ばれる。



             小沢城跡看板  


              物見台から


浅間山を上る。小沢城は標高90メートルの浅間山、物見台、八州台の、三つの峰を中心に構成されていて、地元の人に親しまれているという。浅間神社は富士山信仰の神社で、この辺りで小沢城の防御用の石つぶて石が多数発見されているそうだ。生田緑地の枡形城も同じ位の高さで、そう高くはないが、敵を発見するには十分な高さだったのだろう。



                浅間山


また看板があって、前の家が鷹の巣とい屋号の家だったとある。どう見ても普通の住宅で以前はあったのだろう。稲田領が徳川家の鷹狩り場となり鷹匠役人の定宿場となったことから鷹の巣の屋号がついたようだ。鷹狩り場だったのもわかる様な所だ。
左に電車の音がして、南武線が走っている様だ。下りの中に上りがあったり、階段も多い。道々ボランティアの人が整えていますとかも書いてあって、坂の急な所は階段になっていて、川崎市と共に整備しているのが感じられる。歩いている人にも案外会い、今も地元の人と共に大切にされている道なのだ。

やっと視界の開けた所に出てコンビニもある。菅小谷緑地がまずあり、片側は住宅、反対側は山の様な森が広がる。小さな川沿いを歩くと菅北浦緑地の山がこんもりと見える。



              菅小谷緑地


薬師堂はその中にある。御堂の前で若者が缶を蹴る動画を撮っている。静かで、スペースがあってちょうどいいのかとは思うが、ちょっと失礼な感じもして、今時の風潮なのかなと思ってお参りする。菅獅子舞が伝えられていて、今も土俵の上で、舞われるという。

この先100メートルながら眺望が開けるので、行った方がいいと書いてあるので、上ってみる。かなり急で階段もあるのだが、それも遊歩道より幅も狭く、落ち葉が覆っているので怖い。マムシに注意の看板もある。やっと上り詰めたのだが、眺望はない。残念だけど。下りは更に怖く、滑ってしまう事もあり、気をつけて下る。怪我をしなくて良かった。



                薬師堂


               頂上にて 


この先も、八角堂跡、土淵不動院などもある様だが、稲田堤が側なのでここで終了とする。ハイキングというよりは、きつい山登りだった。多摩峡陵の奥深さを感じる事ができた。住宅のすぐそばに緑が残っているのはいい事だ。この上り下りの多い土地にどうやって家を作ったのかと思わせられた。造れる所には造るのだ。歴史も垣間見れ、楽しいひとときを過ごす事ができた。