この間テレビで町田を取り上げていて、白洲次郎の武相荘を見たので行ってみたくなり、早速行ってみる事にする。

町田と言いながら、小田急線の町田駅からは遠くて、鶴川駅からなら15分程で行ける様なので鶴川駅へ。ここは鶴川香山園があった所だ。その時は武相荘には気づかなかったのだ。




マップを見ると、住宅地の中を行く道と、広い車の通るまっすぐな道を行くコースが出てきて、お勧めは住宅地の方なので、そっちを選ぶ。直ぐに階段を上りその後も結構急な坂を上って行く。降りてくる人に次々とすれ違うが、毎日大変だなあと思うほどの坂だ。帰り道はもう一つの方を選ぶとほぼ坂はなく、何でこの道をお勧めするのかわからない。車が通らないからだろうか。




一度上って少し下った所に緑地がこんもりとしていら所があり、そこかなと向かう。広い道から少し入ると門がある。周りは住宅地で、古い家はない。昭和18年にここに引っ越してきたとある。娘さんが、ふと気がつくと、暗くなるまで遊んだ小川、真っ赤に夕焼けした空、たなびくけむり、野花の数々など全て姿を消していたという通り、ここだけが違う世界に入った様な雰囲気を持っている。今は住宅に遮られているが、駅の向こうの丘も見えたのではと思わせる。茅葺きの家がそのまま残っている。






白洲次郎の名前は聞いたことはあったが、どんな人なのか良くは知らない。兵庫生まれの実業家で、戦後吉田茂に講われてGHQとの折衝にあたったとある。「従順ならざる唯一の日本人」と評された人らしい。テレビでもそのエピソードをいくつか言っていた。
まずはクラッシックカーが無造作に置いてある。晩年までポルシェを乗り回したとある通り、あの時代におしゃれすぎる。




先に進みBar&gallaryの建物に入ってみる。海外のBarがそのままある様なクオリティーで自宅でバーを楽しんでいたなんて素敵すぎる。その隣には、今はレストランになっているが、ダイニングがあったのだろうか。母屋との間にはテラスもある。





母屋は茅葺きで、テレビでもやっていたが、養蚕業をやっていた農家の家を買っただけあって、昔の作りだ。中はおしゃれな空間が広がる。靴を脱いで、靴カバーをするのだが、生活の場の中に入っていいのかという感じで、部屋を襖越しに覗くというのではなく、入っていけるのだ。置いてあるものが、手に取れる様な近さで見れるのがいい。

奥さんの白洲正子さんも、祖父は海軍大臣、父は貴族院議員という伯爵家の次女で、能、骨董、執筆業でも名を残した人なのだ。書斎には、色んな本が所狭しと並んでいて、そこに座って書いていたのかというままに残されている。
お皿とか生活用品もたくさん展示してあって、私は、蒐集家ではなく、使えるものを使うだけだとあったが、十分すごいものが並んでいる。こういうものを使って暮らせたら豊かな気持ちになれるだろうと思わせる品々だ。ヴィトンのハックも今もなを使えそうなまま残っている。
テレビで息子さんが、友人が持ってきた李朝の器に、お酒を注いで飲んでいたけれども、そんな事が当たり前の家なのだろう。白洲家では。




外には散策路があって、椿が咲いてたり、竹の小道があったり周りの住宅の気配を感じずにいられる。












私もテレビを見たから来たので混んでいるのかと思ったけれど、10時頃に着いたので、ちらほらという感じでのんびりしていたら、どんどん人が増えてきて、案外混雑してきた。テレビでやったので混んでるのねと言っている人もいたから、そうなのだろう。

レストランは11時からで、直ぐに名前を書けば良かったのだが、しばらく経って気がついたので、しばらく待つ事になってしまった。シェフは一人なので順番にお呼びしますという事で、待っているうちに、品切れになるかもしれませんという張り紙もされてしまった。

この建物も趣きがあって、その空間で食べられるというのも素敵だ。メニューは、白洲家のカレー、大好きだった親子丼、ドリア、オムライス、水餃子があってどれも美味しそうだ。どれもゆかりのものなのだろう。

チキンカレーを注文。メニューに書いてあったのは、白洲さんは、スプーンはスープに使うものとしていたので、カレーはフォークで食べていたとある。全てにわたって、ハイカラでこだわりの人だったのだろう。

金物の器に盛られたカレーは美味しい。肉は大きめだか、柔らかく、ご飯の横のキャベツは、何もかかっていないのでカレーに混ぜて食べて下さいと話がある。白洲さんは、野菜が嫌いだったのでそうしたらしい。冬の光も差し込んで、居心地がいい。








本当に、駅から15分ながら、過ぎ去った時代を感じさせる空間にしばらくいるだけで、何だかほっとできる。武相荘が今なを残っている事に感謝したい。娘さんが書いているが、「幸か不幸か生来のより良くする以外現状を変えたくない、前だけ見て暮らしたいという母親の性格からなにも変わってていない」という奇跡を楽しめる場所だ。

ここだけで楽しむのも良し、駅前の鶴川香山園によるのも良し。八王子と横浜の絹の道で栄えた歴史ある町、町田ならではと思わせる場所でした。