聖書が好きになった。昔々からの不変の教訓。私達に必要だと思う。毎日少しずつ、聖書のページをめくっていた。福音書を。隣人を愛せよ。父母を大切にせよ。姦淫するな。その言葉は、すんなり私の中にストンと入った。
キリストの意思を受け継いだヨハネ、そしてキリストを裏切ったユダ。そうだ、ユダのエピソードから、頭から落ちる死に方は良くないって知ったんだ。
聖書の教えにならって、行動しようとしていたあの頃。そんな時に、神聖な夢を見た。夢の中で、私は鋼鉄の入れ物の中にいる。その入れ物は上へ上へと上がってゆく。隙間から人の姿が見える。大きい人だ。その人の姿を足元から順に見た。なんだか重苦しい雰囲気が漂っていた。そんな時入れ物の隙間から、私を捉えようとするいくつもの手が入ってきた。邪悪な手の様だった。その手には捕まらなかった。私は、先ほどの人の顔を見ようとしたけれど、顔だけ見えなかった。すると上へと上った入れ物の天井が開いた。光が差し込んで、そこからは綺麗な空が見えた。
その夢を見た後、確かに私はいろいろな人に足を引っ張られて、道がそれそうになった。でも何かに守られるように結婚した。
その後に見た夢で、私の体は、どんどん空を登ってゆき、白い教会にたどり着いた。その二階には、微笑みかける男性がいた。ああ、やっと顔を見せてくれたと思った。
夢から覚めた後、あれは、イエス・キリスト様だったと分かった。
それから、しばらくして、私の両腕には、十字架が浮かび上がった。何かしなくてはと思った。神に導かれて、正しい行動を。両腕の十字架を眺めながら、自分に出来ることを思った。気が違いそうになりながら、正常さを保とうとしながら、私はその手の十字架を眺めていた。
