読売新聞の元旦の記事によると、
「2011年読者が選ぶ世界10大ニュース」で、
ビンラディンの死や、金正日の死、
リビア内戦、ニュージーランド地震など、
数ある大事件を抑えて、
第一位に選ばれたのは、タイの大洪水だった。
調査によると洪水の影響により、
11月の工業生産指数は、前年比49%減、
業種別だとHDD生産82%、自動車84%、家電55%、
それぞれ低下したという。
外国人旅行者数は、17%減の122万人。
中部アユタヤなどでは工業団地が水没したため、
トヨタ、ホンダなど日系自動車メーカーなど、
タイに工場を持つ多くの企業が大打撃を受けた。
私はというと、去年10月あたまに訪タイし、
その帰国時に、ビジネスエアのオーバーブッキング事件に
巻き込まれた、あの直後に、
日本の各メディアで、
タイの悲惨な事態をたくさん目にすることになった。
まさかよりによって、この国が、
わずか数週間で、
そんなふうになるなんて想像もしてなかった。
![photo:05](https://stat.ameba.jp/user_images/20120107/20/yuko-watanabe/f3/b7/j/o0480064011721624435.jpg?caw=800)
でもなんでまた、突然タイが洪水に??
一つに、タイの雨期にあたる6~8月の降水量が、
例年の1.2~1.6倍に達したことが原因だという。
チャオプラヤ川から溢れ出た水は、
タイの平野をゆっくりと南下し、バンコクへ。
タイ駐在の日本人家族は、一時帰国し、
日本人学校も休校になるケースが相次いだ。
連日、日本のテレビや新聞で報道されている情報をもとに、
私の周囲ではいろんな噂が飛び交った。
タイの街中が水浸しになり、
バイクタクシーの代わりに、ボートタクシーが走り、
発砲スチロールに乗った人が行き交い、
ゴミや動物までもが流れてきて、
ワニに噛まれて110針縫う怪我をしたとか、
感電死したとか、水質汚染で食中毒にあったとか、
感染症による二次被害とか。
おそらくどれも事実に近いとは思うが、
あたかもそれがタイ全域で起こっているかのように。
実際のところ、バンコク中心部に駐在している友人達は、
水や非常食を買い溜めたりしながらも、
無事に、いつも通り生活できていることを確認していた。
だから私自身も、
周囲の心配や反対を受けながらも、
思い切って、11月にタイへ渡航した。
誰に何を言われようと、
どんな汚い格好をしてでも、
慣れ親しんだ街の現状を
自分の目で確かめてみたかったから。
当初は長靴を履いていく勢いだったが、
そんな必要もなく。
その時、私が見たバンコクは、
前回と何一つ変わらず、
毎日晴天で、道路には渋滞が起きるほど車が走り、
行きつけのタイ料理屋もいつも通りゆるく営業し、
公園では朝晩ランニングやエアロビをする人がいて、
それは洪水だということを感じさせないくらい、
まるで何事もなかったかのようにさえ。
相変わらずの“微笑みの国”だった。
唯一、水道水のニオイが土っぽかったことくらいかな。
とはいえ、普段から海外で水道水を飲んだりはしないでしょ。
12月に入って、タイ北部・中部の洪水のピークは過ぎたが、
今度は年末年始の豪雨により、
タイ南部を中心に再び浸水や地滑りが発生し、
47万人が被災したという。
まだまだ影響は尾を引きそうで、油断はできないが、
観光客が減ってしまうのはとっても悲しい。
だから今こそ、
今年の長期休暇はぜひ、
タイへ!!!