最近友人の結婚式に出席する機会が増え、
ふと思う。
いつか私が結婚する時、
父は何を想い、どんなスピーチをするのだろう。
まさかハナパパのように、お茶目な言動はしてくれないだろうな。
思えば幼い頃から、
無口で厳格な父親とは、
ほとんど二人きりで話すこともなかった。
学生時代、いわゆる反抗期に、
私が門限を破ったり、勝手なことをすれば、
父は直接私を叱ることなく、
必ず母を通して、だった。
全部母に言わせていた。
絵に描いたような、
典型的な亭主関白だ。
そんな父も、
酔っ払うとまるで人が変わる。
陽気になり、饒舌になり、顔がゆるんで、調子よくなる。
私もお酒が飲める歳になって、
何度か飲みの場に連れて行ってもらったことがある。
会社の部下や、行き着けの飲み屋のママさん、
父を取り巻くいろんな人達から、
その時初めて、
私の父の話を聞いて、
今まで好きじゃなかった父のことが
すごくかけがえのないものに思えた。
それから就職し、実家を離れ、
祖父の告別式で久々に再会した。
白髪交じりになっていた父を見て、
なぜか泣きそうになった。
親不孝者の27歳の私が、
これからできる親孝行って何だろう。
大手企業に再就職すること?
結婚して、子供の顔を見せること?
家をプレゼントすること?
父があと25年近く生きてくれるとして、
それでも年1回実家に帰って会うとしたら、
たったの25回しか親孝行ができないことになる。
今、何より、
娘の元気な顔を見せることが、
最大の親孝行なのかもしれない。
だから来月実家に帰ろう。
ちなみに、せっかく父のために作った灰皿は、
「もったいなくて汚せない」
という理由で、食器として使われているそう・・・。
お父さん、いつもありがとう。
これからも末永くよろしくね。
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