HSS型HSPの解説8~HSS型HSP「境界線」

 

  

  前回は、

  HSS型HSPが

  大切な人と

  関係を築く上で 

  知っておく方がよいことを

  お話ししました。

  

 

   HSS型HSPの解説7~HSS型HSPと大切な人との関係

  

 

 

 「傷つきやすいのに刺激を求める人たち」

   ~フォレスト出版

   トレイシー・クーパー著

     (カリフォルニア

     統合学研究所の統合学哲学博士。

     HSPのアーロン博士の

     ドキュメンタリー映画にも

     出演、自信もHSS型HSPと公表)

   時田ひさ子監訳

    (HSS型HSP専門心理カウンセラー)

   長沼睦雄監修

    (精神科医)

 

  

  今回は、

  HSS型HSPの「境界線」について、

  「傷つきやすいのに刺激を求める人たち」の

  中から、

  時田解説を中心に

 

  お話しします。

 

  まず、

  HSS型HSPの境界線について

  お話しします。

 

  よく、

  HSS型HSPは

  境界線が薄い・曖昧だから

  人との関係で

  疲れを覚えたり、

  苦労すると言われています。

 

  この

  「境界線が薄い」ですが、

  これは、

  精神科医のアーネスト・ハートマンに

  よる概念です。

 

  では、

  「境界線が薄い」人とは

  どのような人なのか。

 

  それは、

  「高い感受性、

   思考と感情が組み合わさった気付き、

   中間的な意識の状態

   (白昼夢や空想)、

   過去と現在が混同した意識状態、

   包括的な性同一性、

   集団への帰属が移ろいやすいこと」が、

 

  「防御的で適応的な

   潜在性も含む

   パーソナリティーの特質を

   示している」   人とされるそうです。

 

   この、

   ハートマンによると、

   「境界線が薄い人」は、

   「特に繊細で、開放的、

    そして影響を受けやすい。

    感覚刺激に強く反応し、

    身体的苦痛により敏感で、

    過剰な刺激により

    ストレスを受けたり

    疲弊したりする。

    免疫系統の反応がより強いため、

    アレルギーが怒りやすく、 

    子ども時代の出来事から

    深い影響を受けやすい」そうです。

 

    因みに、

    この境界線についての判定ですが、

    ハートマンは

    境界線診断テストを

    つくっています。

 

    「境界線」には、

    別の側面もあります。

    

    「HSS型HSPの薄い

     境界線を越えて

     侵入する有害な刺激を

     防ぐためには、

     自分自身で設定する

     「制限」となる「境界線」です。

    この

    「自分にとっての臨界点」

    とも言える心の国境線が

    どこまでかというのは、

    過去に経験した

    痛い思い、辛い思いや経験により

    決まります。

 

 

    イメージ的には、

    「ここまでは、

     許してあげるけど

     これ以上は

     入ってこないでね。

     私は受け入れないよ。」という、

    国境線・臨界点です。

    

    「ひさしを貸して母屋を取られる」

    の諺で言うと、

    「ひさし」までがOKラインで、

    「母屋」は侵入を許さない

    という関係です。

    

    「ひさし」は、

    外部からの侵入を許す許可ゾーンであり、

    予防線といえます。

 

    自分にとって

    「限界であるラインに引く線」は

    「身を守るための予防線」なのです。

 

    この予防線のラインが

    どこまでかを

    自分で把握しておくことが、

    過剰な刺激や侵入・侵害を

    最小限にとどめるための対策として

    必要とのことです。

 

 

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

   

 

    この境界線は、

    昨日お話しした

    大切な人との関係においても

    とても大切なことになります。

 

    恋愛で尽くしすぎると

    相手によっては

    最初は尽くされることに

    感謝していても

    次第に当たり前になり

    最後は尽くされないと

    相手を恨む人間に

    変容することがあります。

 

    尽くしすぎることにより

    相手をテイカーに

    変容させてしまうのです。

 

    HSS型HSPは

    自分の本当の気持に気付くのが

    苦手です。

 

    そして、

    相手の気持を敏感に感じ取ります。

    また、

    共感性もとても高いです。 

    この高い共感性により、

    HSS型HSPは

    相手の喜ぶ気持ち、

    気持に寄り添いがちです。

    

    この特性のため、

    自己犠牲にして

    相手を優先してしまいがちです。

 

    特に、

    自分の心の傷やクセに気付かず、

    自己肯定感の場合は

    「自分の存在価値」を

    「相手からの愛情・承認」に

    依存してしまいます。

    

    この場合、

    「相手からの愛情・承認」を

    失うことを恐れるあまり、

    自分のことを

    後回しにしてしまうのです。

 

    そうすると、

    関係はいびつになり、

    HSS型HSPにとっては、

    最初は良くても

    自分の気持を殺し、

    我慢することになります。

    

    そうすると、

    だんだんと

    苦しくなってきて

    場合によっては、

    心身の不調も

    引き起こします。

 

    このことは、

    恋愛だけではなく、

    親子関係・友人関係・仕事関係、

    あらゆることに

    共通しています。

 

    

    人との良い関係を

    築き、維持し、

    発展させていくために

    HSS型HSPは

    「自分の境界線」を

    意識しておくことが

    必要です。

   

 

    悲しいことに

    人は

    「有り難いこと」を

    「当たり前」に思うことが

    早い動物だと思います。

    

    その方が自分にとり、

    うまみがあるので

    仕方がないことだと思いますが....。

 

    職場でも、

    最初の小さな親切心が

    あだとなることがあります。

 

    搾取され、

    仕事を押しつけられ

    心身共に

    ぼろぼろになるまで

    働いたとしても、

    感謝されるどころか、

    「当然」とされ、

    「そうするのが好きなんでしょ」

    で片付けられてしまいます。

 

    しかも、

    ぼろぼろになったときには、

    搾取してきた人たちは、

    甘えていたことを反省せず、

    搾取していたことを

    一切返り見ず

    「あの人が好きで

     勝手にやっていたから」で

    片付けられる傾向に

    あるように思います。

 

    相手に搾取されないため、

    そして、

    何より自分を守るために

    この「自分にとっての境界線」を

    意識することは

    必要になります。

 

    私が「ひさし」をかしたつもりでも

    相手は「ひさし」で

    雨から難を逃れて

    最初は「やれやれなんてありがたい」

    と思っていても、

    次第に母屋の温かさを見ると

    そちらに入りたくなります。

    少しずつ、   

          母屋に入りたそうな

    目を向けてきます。

    廊下の端に腰をかけてきたと

    します。

    相手もこれくらいなら

    いいかなと

    加減を図っていいるのです。

 

    そこで、

    「入りたそうにしているな

     雨だし、

     ちょっとの間なら」

    と許してあげるときに、

    気を付けないと、

    際限がなくなり、

    いずれは母屋を

    侵食されてしまいます。

 

   そもそも、

   浸食され始めないように

   「母屋に入ってきたら

    その時点で

    たたきだすからね」

   ということを告げる必要があります。

     

   仮に相手が破ったとしても、

   相手が破った時点で

   相手に

    「困りますね、

     母屋に入られては。

     ひさしだけの話しでしょ。

     守れないのなら、

     出て行ってください」

   と伝えて追い出すことが

   必要だなと思いました。

 

   

   相手に要らぬ期待を

   抱かせず、

   冷たいようですが、

   期待を持たせないから

   相手も傷つけないのです。

 

   お互いに

   恨みを抱いたり

   抱かれたりの

   イヤな感情を持たずに済むので

   この「境界線を引く」という行為は 

   人と付き合っていくためには、

   身内であっても

   必要なことだなと

   思います。

 

 

 

   この境界線を

   意識するためには、

   自分が何がイヤなのか、

   自分が相手に依存していないかを

   気付く必要があります。

 

   痛い思いをしたときに

   それをなかったことにせず、

   向き合うことが必要なのです。

 

   「自分を守るための境界線」を

   引くこと、

   維持するためには、

   自己肯定感と

   プライドではなく

   本当の意味「私は私で素晴らしい」

   という

   「自尊感情を持つことが」が

   大切です。

 

 

   この自尊感情を育むこと、

   自己肯定感をあげること、

   ありのままの自分を認めることは、

   すべて、

   過去の自分に向き合い、

   自分の心の無意識のクセを自覚し、

   傷に向き合うことが

   大切なのです。

 

   この本を読んで

   改めて

   「境界線の薄さ」の問題点と

   「境界線を引くこと」の

   大切さを知りました。

 

 

   この点を

   もっと意識できていれば、

   私も仕事をするときに、

   もう少しうまく

   できていたのではないかと

   思います。

 

  

 

   過去に向き合い、

   自分のだめなところを含めて

   自分のことを

   認めることが

   できるようになった今だからこそ、

   そのことがよく分かります。

 

   

   痛感しているからこそ、

   この「境界線」をひくことが

   大切だと分かるのです。

 

 

   正しく知ることは、

   HSS型HSPが

   よりよく、

   そして

   楽に生きていくために

   本当に大切だと思います。

   

     

  明日も引き続き、  

 

 

   

 

 

  

 

   に続きます。