世界観episode78~退職の日の感謝の気持と高揚感(HSP社会人後編⑧ )

 

 

 

  前回は

  体調を崩し、

  新しい人生を歩むときが

  来たと思い、

  退職を決意したことを

  お話ししました。

 

 

   世界観episode77~体調の悪化と退職の決意(HSP社会人後編⑦)

  

 

  今回は、

  退職をする日までの

  歩みをお話しします。

 

  退職を決めたのは、

  4月20日頃でした。

  
 

  年度の途中で

  仕事をやめるのは、  

  迷惑もかけるし、

  心苦しかったのですが、

  もう、

  私が限界だったのです。

 

  私は判断力と

  深い思考力と理解力には

  それなりに

  自信があったのですが、

  その自信がなくなったのです。

 

  頭が考えることを

  抵抗し始めたのです。

 

  考えることが大好きな私が

  考えることを

  拒否するのは異常事態でした。

 

  一番の売りだった

  思考力と判断力が

  機能しないのは、

  悲しくてたまりませんでした。

 

  もっとも、

  辞めるのを決めても

  すぐに辞めたわけではありません。

 

  というのも、 

  5月に

  私が担当していた会議と

  他市に行って行う作業が

  控えていたからです。

 

  私が辞めると

  その担当業務を

  誰かが引き継がなければ

  なりません。


  いきなり会議の段取りを

  丸投げされるのも

  会議の残務処理や

  2時間くらいのボリュームの

  会議録の作成を

  丸投げされたら

  みんなが困ります。

  

  また、

  他市に行って行う作業も、

  準備にも時間がかかります。

  しかも、

  当日もほぼ半日近く拘束されます。

 

  

  私が辞めた場合に

  その業務を引き継ぐであろう

  前任者や

  会議の共同担当者は

  別の業務で忙しいところでした。

  

  その2人に

  さらなる負担を強いるのは、

  申し訳なさ過ぎたからです。  

 

 

  頭が働かないとはいえ、
  全く頭が働かないわけではありません。

 

  私は

  できる範囲のことを

  すべてやり切り、

  やり切った6月末に

  退職しようと思ったのです。

 

  ただ、

  1人で全てこなすのは

  体調が万全ではなかったので、

  関係する同僚に

  事情を話し、

  助けてもらうことにしました。

    

  

  幸い2人とも

  優しい人だったので、

  事情を話すと、

  快く助けてくれました。   

 

  2人の支えのおかげで、

  無事この2つの仕事を

  やり切ることができました。

 

  本当にこの2人には

  感謝してもしたりません。

  

  やめるまでの日々ですが、

  私の担当していた業務の

  引き継ぎの超詳細マニュアルを

  作成しました。

 

  後に引き継ぐ人が、

  他の人に聞かずに

  完全に1人でできるように

  するためです。

 

  残業もしながら、

  やり切りました。

 

  というのも、

  できるだけ

  仕事を辞める最後の日

  6月30日までは、

  普段通りに働きたかったのです。

 

  いつも通り普通に働き、

  ただ明日からは

  出勤しない、

  そんな風にして

  退職したかったのです。

 


  途中で辞めるので、

  あまり大げさに

  退職の挨拶や連絡は控えました。

 

  お世話になった方全員に

  ご挨拶とお礼を言いたかったけれど

  できなかったことは

  少し悔いが残っています。

 

  退職の日が押し迫ってから、

  親しかった同期や

  かつての同僚、

  お世話になった方々に

  挨拶とお礼を伝えました。

 

  押し迫ってから伝えたのは、

  理由があります。

  早めに伝えると、

  相手にお餞別等を

  気にさせてしまうからです。

   

  挨拶や連絡をしたときに

  色々な方々に惜しんでもらえました。

 

  何より嬉しかったのが、

  そんな私の気持を皆さん察してくれて、

  挨拶の後に、

  忙しい中お餞別を職場まで

  持って来てくれたのです。

 

  そして、

  「もっと早く相談してくれたら

   良かったのに。

   言ってもらえたこと、

   気づいてあげられなくてごめん。

   今までよく頑張ってきたね。

   ゆっくり休んで、

   新しい道を頑張って。」 と

  言ってもらえたことは、

  大きな救いでした。

 

  

  公務員として、

  退職まで勤めず、

  しかも

  年度の途中で辞めることに、

  悔いや罪悪感や劣等感が

  全くなかったわけでは

  ありません。

 

  ですが、

  辞める日には、

  その時点でできることは

  すべてやりきったので、

  心残りはありませんでした。

 

  そして、

  罪悪感や劣等感は感じても

  生き残るためには

  そんなことは

  甘受すべき微々たることでした。

 

 

  辞めるご挨拶を色々な方にするとき、

  これまでの25年間が

  思い出されました。

 

  つらいこと、

  苦しいこともいろいろあったけど、

  本当に多くの人に

  自分は支えられてきたなと思うと、

  感謝の気持ちで

  いっぱいになりました。


 

  実は、

  辞めるのを決めてから

  全く決意が揺らがなかったかというと、

  そういうわけにはいきませんでした。

 

  引き留められたことで  

  自分の判断が

  誤っていたのではないかと

  心が揺れました。

 

  異動ができたら

  もう少しがんばれるかもという、

  非現実的な

  悪魔の誘惑に心が揺れたのです。

  

  本当はもう無理なことは

  分かっているのに、

  いざ辞めようと思うと、

  惜しくなったのです。

  

  そして、

  辞めた後のことを思うと、

  怖くなったのです。

 

  揺らがないと

  思っていた決意のゆらぎは、

  思った以上にすごかったです。

  

  結局2日くらい揺れまくり、

  姉にももう一度

      LINEで相談したり、

  (姉からの返事が

   ある前に結論をだしました)

  尊敬する方に

  もう一度相談未遂を

  したりしました。

 

  ですが、

  最終的には自分で

  辞めることを決めました。

 

  私の中で、

  途中で信頼のできる方に

  意見を聞いても、

  最終的には

  自分で決めないと

  気がすまないのです。

 

  それは、

  自分の人生だからです。

 

  人任せにしたときに、

  言われたようにしなければ

  良かったと

  後悔したくないのです。

 

  

  私は自分に自信がないことが多く、

  自分のことを

  信じ切れないところがありますが、

  ここぞという

  人生の決断のときには、

  いつも自分で決めていました。

 

  最終的には、

  頼れる者は己のみという

  心念が私の中にあるので、

  それに従いたかったからです。

  

  自分に嘘をつきたくない

  と言った方が

  良いかもしれません。

 

 

  最終日、

  職場の人に別れを告げ、

  自前の文房具や

  毎日使っていたコップを

  片付けたときには、

  今の職場への

  感謝の気持ちが湧いてきました。

 

  合わない職場であっても、

  楽しい、嬉しいと

  感じるときもありました。

  中にはいつも

  にこやかに声をかけてくれたり、

  私の体調をそっと気遣ってくれたり

  仕事で相談をすると、

  いつも快くにこやかに

  対応してくださった方も

  いたからです。

 

  声が高いのが苦手なだけで、

  人柄的には好きな方も

  何人もいました。

  

  そして、

  最終日の6月30日は、

  天気の良い日でした。

  朝出勤するとき、

  これで最後かぁ、と

  あまりにもいつも通り過ぎて

  不思議な感じがしました。

 

  当初の予定通り

  いつもどおり働いて、

  定時に仕事を終え

  通勤のバスと電車で
  帰りました。


    

  感謝の気持と

  やり切った達成感と

  もう来ることはない職場という

  一抹の寂しさが混ざった

  高揚感に包まれて、

  庁舎を見つめ、

  25年勤めた

  仕事に別れを告げました。

 

  

  家に帰る途中、

  頑張ったご褒美に

  ケーキを買って帰りました。

 

  

  今にして思えば、

  25年間公務員として

  働いたことで、

  HSS型HSPの特質を

  深く意識することができました。

 

  つまり、  

  自分が

  音や監視されるような状態が苦手、

  雑談等の人との関わりが苦手、

  そして、

  枠に当てはめられることが苦手

  ということをはっきり悟ったのです。

 

 

  その一方で、

  今まで気づかなかった強みを知り、

  それを生かすことができました。

 

  深い思考と分析力と

    好奇心と俯瞰力です。

 

  このほかにも、

  人に合わせた説明が

  実は得意だったこと、

  行動力と大胆さと度胸があったこと、

  状況把握が得意なため、

  仕事の調整や仲間との作業が

  意外と得意だったこと、

  誰かのために仕事をするのが

  好きだったこと 

 

  等でもあります。

 

 

  HSS型HSPは、

  飽き性であったり、

  人間関係に苦労し、

  転職することが多いそうです。

  

  今にして思えば、

  公務員であったため、

  私は転職を繰り返すことは

  ありませんでしたが、

  実質私は

  転職を繰り返していた

  ようなものでした。

 

  公務員の仕事内容は

  多岐にわたります。

  担当分野が異なれば

  職種変更の転職ぐらい

  業務内容が異なるのです。

 

  今落ち着いて振り返ると、  

  繊細で落ち込み悩み続けた私を

  支えてくれた

  両親や姉、姉の子供達、

  同僚、先輩、かつての上司には

  感謝してもしたりません。

 

  おかげで

  私はつぶれず、

  充実した

  時間を過ごすことができたからです。

 

 

  明日からは

  退職してから

  体調も回復し、

  今まで我慢できなかったこと

  日々のことをお話しします。

  

 

  

 

 

 

 

  

  に続きます。