世界観episode42~大学1年生・20歳の前祝のホームステイ(HSP大学生前期編⑦)

 

 

 

 

 

 

  前回は

  大学1年生のとき

  私の人生で初、

  体育で優をとったことを

  お話ししました。

  

 

   世界観episode41~大学1年生・人生初の体育での優(HSP大学生前期編⑥)

  

 

  今回は、

  大学1年生のときに、

  20歳の成人式の前祝いとして

  イギリスに

  ホームステイに

  行ったことの前編を

  お話しします。

 

  私が大学生だった頃は、

  今より海外に行くのが 

  身近でした。

  大学生の時は

  時間があるから

  ホームステイに行っておこう!

  という雰囲気が

  何となく世の中にありました。

 

  別にこのホームステイブームは

  私が通っていたのが

  英文学部だったからという

  わけではなく、

  他の学部の人もホームステイに

  行く人が多かったのです。

 

  サークルの先輩から

  「行って良かった

   大学の時間のある内、

   行けるときに行っておけ」

  とよく言われました。

 

  そして現地での写真や

  失敗談含めた愉快で刺激的な

  話をたっぷり聞いたものでした。

 

  そうすると、

  「やっぱり、ホームステイ、

   行った方が良いよな...」

  と思うようになります。

 

  そして、

  周りの友達が

  1人、2人と

     夏休みになると

  ホームステイに

  行くようになりました。

 

  そして

  「ホームステイ、行ってきた」

  「○○さん、行ったらしいよ」

  「△△も行ったんだって」

  という話を聞くと、

  自分が置いて行かれた感がして

  落ち着かなくなり、

  ホームステイに行こう!

  となるのです。

 

  私もご多分に漏れず、

  ホームステイに夏休みに

  行った人たちの話を聞いて、

  私もホームステイに行こうと

  心に決めました。

  

  ですが、

  当初は、

  具体的にいつ行くかは、

  決めてはいませんでした。

 

  私がホームステイに

  行ったのは2月の下旬です。

 

 

  私の通っていた大学は

  私立大学だったので、

  大学入試が

  2月初旬から始まる関係で

  1月末には学部の試験も終わり、

  長い春休みが始まります。

 

  試験も全て終わり、

  やれやれ一息を

  ついたときでした。

 

  たまたま寄った

  大学の生協で、

  英文学の友達が

  旅行のパンフレットを

  見ていたのです。

  

  「寒いこの時期に旅行?」

  と不思議に思い、

  聞いてみました。

  

  彼女曰く、

  「ホームステイは冬が狙い目!

   寒いのさえ気にしなければ

   値段は安い。」

  とのことでした。

  

  確かに、

  パンフレットを見ると

  料金の差がすごい。

  夏と冬、こんなに違うのか...

  と、驚きました。

 

 

  

  2月の下旬にかけて

  一番寒いからか、

  旅費が一番安い時期でした。

 

 

  それを見た私は

 

  「ホームステイに

   イギリスに行かせてもらおう!

   でもお金はない....

        どうしよう。

   でも行きたい!

   お母さんに、

   成人式のお祝いで

   ホームステイに

   行かせてもらうよう

   お願いしよう!」 と決めました。

    

  即母に、

  学生協の前にある

  公衆電話から電話をしました。

 

  当時は、

  携帯電話がなかったのです。

 

  なぜお金もないくせに

  即決だったかというと、

  私はパスポートを

  持っていなかったからです。

 

  今ではパスポートは

  大体2週間もあれば

  取得できると思いますが、

  当時はパスポートを取得するのに

  約1ヶ月かかりました。

 

  しかも、

  私が受け取るのは

  地元ではなく他県の下宿先。

 

  書類の転送等もあるため、

  このときにすぐに

  パスポートを申し込めば、

  ぎりぎりこの最安値プランに

  間に合うタイミングだったのです。

 

  迷っている時間はありませんでした。

 

 

  そして、

  さすがに安いといっても

  それなりにかかります。

  お金を出してもらうのだから、

  行くなら最安値でないと

  だめだと思っていました。

 

  そして2年生で行くよりは、

  1年生の今行く方が

  今後の人生において

  絶対に良いと思ったのです。

 

 

  当時19歳だった私は

  来年の成人式の振り袖の替わりに

  ホームステイに

  行かせてくれるよう、

  お願いしたのです。

 

  振り袖をつくって

  写真を撮ることに比べると、

  私のロンドンホームステイヶ月は、

  はるかに安くつくのです。

 


  私はそもそも

  成人式に行こうと思っていなかったし、

  振り袖に執着もありませんでした。

  そんな私にとり、

  同じお金をかけるなら

  一瞬の思い出より、

  後まで残る経験の方を選ぶのは

  至極合理的なことでした。

  

  一応英会話については、

  1日3時間英語を毎日聴くという

  ヒアリングマラソンを

  ずっと聴いていたので、

  不安はありませんでした。

  

 

  心配だったのは、

  空港までちゃんと行けるかどうか

  でした。

  私は方向音痴だったのです。

 

 

  母との交渉が成立した後は、

  怒濤のように準備を始めました。

 

 

  私はスーツケースを

  持っていなかったので、

  まずその調達から

  始める必要がありました。

  スーツケースは買うと

  今の価格よりも高いので

  レンタル。

  時期が遅かったので、

  重たい物しか

  残っていませんでした。

 

  お金の支払いも

  今のように

  クレジットカードが

  一般的ではなく、

  ホームステイの大学生は

  トラベラーズチェックが主流でした。

  その準備も必要でした。

 

  そして、

   持って行く現金の両替も

  米ドルほどイギリス通貨は

  ポピュラーではなかったため、

  両替をしに、

  電車と地下鉄を乗り継いで

  1時間くらいかけて

  中心部の銀行に行きました。


  空港までの列車の予約や

  バスの予約、

  使い捨ての

  コンタクトレンズの準備、

  途中で病気になった時用の

  抗生物質をもらいに

  見知らぬ病院にいったり....

 

  1人で色々準備をしました。

 

  初めてのことだらけでした。

 

  心配性で臆病なところもある

  私でしたが、

  このときはわくわくの方が

  圧倒的に強かったし、

  準備に追われ、

  そもそも

  心配している時間が

  ありませんでした。

 

 

  ただ、

  当日の朝ちゃんと起きれて、

  空港までちゃんと

  迷わず行けるかどうかだけが

  不安でした。

 

  私は方向音痴なのです。

 

  当時はまだ関空もなく、

  朝一番の伊丹空港に行くため、

  方向音痴な私が

  1人大荷物を抱えて

  移動することを

  私を心配した母が、

  下宿から空港まで

  付き添ってくれました。

 

  真っ暗な2月の下旬、

  重たいスーツケースを押す手は、

  手袋をしていても冷たく、

  寒さで

  むき出しの耳はちぎれるような

  痛みが走る中、

  母と駅まで20分歩いたのを

  覚えています。

 

  空港では、

  他のホームステイの学生と

  合流しました。

  そこから後は

  団体行動だったので、

  不安はありませんでした。

 

 

  HSS型HSPの特性に、

  刺激を受けるのが大好きで、

  好奇心が旺盛ということが

  あります。

 

  また、

  人見知りの社交家という

  性質もあり、

  初対面の人と話すのは

  苦痛ではないのです。

 

  むしろ、

  私と同じように

  アメリカではなく

  イギリスを選んだ同志なので、

  興味しか湧きませんでした。

  おかげで

  苦手な団体行動も

  不安も苦痛もありませんでした。  

 

 

  イギリスに旅立つ日は、

  快晴の青空でした。

  冬の日の銀色の太陽の光が

  金色に変っていく時間帯に、

  私の乗る飛行機は無事

  旅立ちました。

 

  後から聞いたのですが、

  本当の成人式のお祝いは

  いらないから

  かわりにホームステイに

  行かせてほしいという

  私の申し出は、

  古い世代の人には

  ちょっとした驚きと、

  一部の進歩的な考え方の人には

  感嘆をもたらしたそうです。

 

  そして、

  繊細で不安定な面が

  強かった私を

  ずっと見守ってきた母は、

  私が乗った飛行機が

  青空に吸い込まれるように  

  飛び立つのを見て

  「私の小さいモモちゃんが

   こんなに大きくなったのだ」  

  と感慨に浸り、

  我知らず涙がこぼれて

  仕方が無かったそうです。

 

   ※モモちゃん

    .....松谷みよ子さんの

    「小さいモモちゃん」を

     始めとするモモちゃんシリーズの主人公。

     私の家の愛読書です。

     幼い日に、

     母に寝るときに

     よく読み聞かせを

     してもらっていました。

 

 

   今にして思えば、

   一人暮らしをし始めたとはいえ、

   繊細で神経質で、

   不安定になりやすく

   傷つきやすい私の1ヶ月にわたる

   外国行きをよく両親が

   許してくれたなと思います。

 

   ひとえに両親が

   私がなんだかんだ言っても

   存外、ここぞというときに

   度胸が据わることを

   信じてくれたおかげだと

   思っています。

 

   ※学習発表会でナレーターをしてみたり、

    6年生の授業参観の時に

    各班が行う「歴史的偉人の発表」の際、

    かなり長文のニュートンの生い立ちを

    淀みなく話したりした実績が実はあります。

    私は人前での発表は、

    意外に度胸が据わって得意で、

    好きでした。

 

    そして、

   何より反対する方が

   私の誇りを深く傷つけ、

   自分は信用してもらえない、

   自分は駄目な人間だと

   私が思い、

   落ち込んでしまうことを

   よく理解していたのだと思います。

 

   心配性気味な父が

   本当によく許してくれたなと思います。

 

 

   私が気づいていなかっただけで、

   実は、

   私の両親は

   私がいつも生きづらさを感じて

   居場所が見つからなくて

   苦しんでいたことを

   心配し、

   私のことを考えくれていて

   いたのだと思います。

 

   そして、

   私の潜在能力を信じて

   くれていたのだと、

   今なら分かります。

 

   

 

   明日は、  

   意外にも活発に過ごした、

   ある意味HSS型HSPの特性を

   遺憾なく発揮した

   ホームステイの後編を

   お話しします。

    

 

 

           

 

 

 

  

   に続きます。