世界観episode27~中学校1年生・学級委員への反発(HSP中学・総括③)

 

 

  前回は

  HSS型HSPの目線で

  中学校と高校の校則に、

  反発を感じていたこと

  お話ししました。

 

   世界観episode26~中学校と高校の校則(HSP中学・高校編・総括②)

  

 

  今回から、

  HSS型HSPの目線で見た

  中学校の日常生活を

  番外編としてお話しします。

 

  

  前回お話ししたように、

  HSS型HSPの特性には、

  物事の本質を見抜く、

  旧態依然の体質が苦手

  というのがあります。

  

  そして、

  繊細な一方、

  大胆なという特性も

  あります。

 

  今日は

  そのことをお話しします。

 

 

  中学校1年生の

  確か7月のある日のことでした。

  その日はいつもより暑い日でした。

  

  扇風機や冷房のない教室に、

  新陳代謝の高い

  中学生が40名程度

  ぎっしりいるので、

  教室には

  熱気がこもっていました。

 

  生徒は

  暑さをしのぐため、

  プラスチックの下敷きを

  扇子代わりにするしか

  手はないのですが、

  下敷きで仰ぐのは、

  危ないからという理由で

  禁止されていました。

 

 

  確か、

  仰いでいるのが見つかると

  没収されたこともあった

  ような記憶があります。

 

 

  あまりの暑さに、

  みんな

  「暑い~、暑い~」

  「暑い~、暑い~」 と、

    

  口々に暑さを訴えていました。

 

 

  何でそんなことになったのか、

  今となっては

  その記憶はないのですが、

   

  学級活動の時間に

  学級委員長が、

  

  「暑いって言うから

   暑いんだ。

   暑いって言うな」 と

   

  言い出したのです。


 

  確か、

  「暑い」と言うと

  ペナルティーで

  正座をさせられました。

 

  禁止されても、

  暑いのはしょうがないので、

  うっかり言ってしまう子が

  続出しました。 

 

  学活の時間ということもあり、

  机の隣に正座させられる子が

  続出しました。

   

   

  確かに、

  暑いと言っても

  どうにもならないし、

  だれた顔で不満を漏らすのは、

  見苦しかったとは思います。

 

  ですが、

  「暑い」と言ったくらいで、

  何で正座をしなければいけないのか、

  しかも、

  学級委員長に

  何の権限があって  

  人の言うことを制限するのか、

  そして、

  何の権限があって

  そんな決定をすることができるのか、

  と思うと、私は腹が立ちました。

    

   

  学級委員長は、

  普段は面白い物知りな子で、

  私も話すのが楽しくて好きでした。

  

  ですが、

  この時の私には、

  学級委員長の役職乱用の

  横暴さとしか思えず、

  しかも、

  自分の言いたいことを

  たかが学級委員長に

  制限されたのは、

  私には屈辱的でした。

 

   

  今から考えると、

  そこまで思い詰めなくても

  いいのですが、

  当時の私にとっては、

  自分の権利が

  納得のいく理由もなく

  阻害されたのは、

  プライドが許さなかったのです。

  

  それがたとえ

  普段は友好的な相手であってもです。

 

   

  そこで、私は考えました。

  要は、

  「暑い」と

  言いさえしなければ良い。

  他の言葉で

  「暑い」を表現すれば良いと

  思ったのです。

 

   

  私は、

  「今日は蒸し蒸しするねぇ」

  と言いました。

  

   

  そうすると、

  周りの子も

  その手があったかと思ったのか、

   

  「蒸し蒸しするな」

  「蒸し蒸しするね」 と、

  言い始めました。

 

  当然、

  学級委員長からすれば、

  面白いわけがありません。

 

   「暑いって言うなって

    言っただろ」 と、

  委員長は言いました。

 

  すかさず私は、

  「別に

   『暑い』とは言ってないよ。

   『蒸し蒸しする』って

    言っただけだよ」と、

  委員長に言いました。

 

  今思い出すと

  恥ずかしくなるような屁理屈です。

 

  ですが、

  そのときの私は

  委員長の言い返せず

  憮然とした顔を見て、

  「ざまみろ」と思ったことを

  覚えています。

 

 

  HSS型HSPは、

  通常は繊細で、

  心配性で、思いやりがあり、

  周囲との協調を図るのが

  得意です。

   

 

  ですが、その反面、

  大胆であるという特性と、

  自己肯定感は低いが

  自尊心は高い、

  そして

  無意味なことが嫌い

  という性質を持っています。

 

 

  そのため、

  このときのように

  合理的な理由もなく、

  ただ学級委員長という理由だけで

  クラ全員を

  意のままに動かそうとする

  学級委員長の

  旧態依然とした発想に

  ものすごく反発心を覚えたのです。

 

     

  私も普段は大人しく、

  特にいちいち文句をつけて、

  もめ事を起こしていた

  訳ではありません。

   

  ただ、 

  私の中で、

  「私の権利を侵害する」

  「私を軽んじる」

  ということが起こると、

 

  HSS型HSPの特質の、

  「鳩派の鷹派」の中の

  「鷹派」の部分が

  強くなるのだと思います。

 

  

  この部分は、

  大人になり自制心が備わり、

  達観するようになっても、

  ずっと残っています。

 

 

  一見、

  これは愚かで無益な性質では

  ありますが、

  この「軽んじられること」への   

  反発心は、

  向上心にも通じます。

  

 

  HSS型HSPは、

  劣等感をバネにして、

  勉強や仕事で成果を納める

  ことも珍しくないのです。

 

 

  人と自分を比べ、

  自己否定と自己嫌悪に

  陥りがちな

  HSS型HSPにとり、  

  劣等感は基本毒なのですが、

  その反面強力な武器にもなります。 

  まさに、諸刃の剣なのです。

  

 

  因みに、

  この件の顛末ですが、

  結局先生が介入して、

  「屁理屈を言うな」としかり、

  全員正座をするハメになりました。

 

 

  勿論、

  私は釈然とはしませんでしたが、

  先生がそう言うのなら

  どうしようもありません。

 

  先生は体育の先生だったのです。

    

  序列と秩序を重んじる

  体育会系の考え方の先生に、

  理論で対抗しても

  良いことにならないのは

  私にも分かっていたので、

  私も不本意ながら

  正座をしました。

 

 

  掃除の時間の後だったので、

  水拭き雑巾の名残で

  ひんやり床が

  気持ちよかったのは覚えています。

   

   

 

  明日は

  中学校の部活動について

  お話しします。 

 

 

   

 

 

  

   に続きます。