「わたしお金はらうんやから」|日本で起きた義母との「なんでやねん」な日々⑤ | 私と義母の、なんでやねん。

私と義母の、なんでやねん。

アメリカ在住・三児の母。
京都出身の強烈な義母との日常や、海外での出産・子育て・生活をエッセイにしています。
思わず「なんでやねん」と言いたくなる出来事を、少しずつ記録中。

長女が1歳の頃、私達は初めて長女を連れて日本へ一時帰国しました。

アメリカで生まれた長女を、日本の家族に会わせるための帰国です。

 

帰国中、長女はすでに離乳食が始まっていましたが、

もともと食が細く、あまり食べないまま日本滞在を過ごしていました。

 

そして帰国最終日。

 

 

アメリカへ戻るその日、空港まで義父と義母が見送りに来てくれました。

 

その日はたまたま、私の母も一緒に来てくれていました。

 

搭乗まで少し時間があったので、

 

空港のカフェでお茶をすることに。。。

 

ショーケースには、ケーキが並んでいました。

 

 

長女はぶどうが大好きでした。

 

すると義母が嬉しそうに言いました。

 

 

「あ!長女ちゃんの好きなぶどうのってるケーキあるやん!」

 
見てみると、グラスの中にムースが入っていて、
上にぶどうが一粒とミントの葉がのっているケーキでした。
ショーケースの中には、それが縦にいくつか並んでいました。

 

義母は店員さんに言いました。

 

「これ、1つちょうだい」

 

店員さんがショーケースの中のケーキを取ろうとした、その時。

 

 

義母は、すっと人差し指を自分の口元に持っていき、左右に振り

そして

カウボーイよろしく舌を

 

チッチッチッ
 

「ちゃうちゃう」

 

そう言いながら、ショーケースを指さしながら

 

「この一番手前の、これ。この私に近いやつちょうだい」

「これが一番ぶどう大きいから」

さらに追い打ち。

 

「私お金払うんやから、選ぶ権利あるよね〜」

 

 

……空気が止まりました。

 

 

私は心の中で、ひたすら店員さんに謝っていました。

 

(ほんますみません。)

 

隣にいた私の母も、

 

かなり驚いた顔をしていました。

 

そしてケーキが運ばれてきました。

 

長女はぶどうをひとつ食べて、

それで満足。

 

ケーキ本体には、ほとんど手をつけません。

 

 

すると義母が言いました。

 

「はい、これはお母さんのせきにーん♪」

 

そう言って、ケーキを私の前に置きました。

 

 
そして長女に聞きます。

「どうする?もう一つぶどう食べる?」

 

「えぇっ⁉️」

 

私と母は思わず声をあげました。

 

同時に、私は心の中で祈りました。

 

(お願いやから、食べへんって言うて…)

 

もし「食べる」と言ったら――

 

義母はまたショーケースの前に仁王立ちし

ぶどうの大きさを吟味し

そしてぶどうだけを長女に渡し

ぶどうのないケーキが私の前に置かれるからです。

 

幸い、長女は言いました。

「食べない」

 

その瞬間、

 

心の底からホッとしました。

 

でも、今でも思い出します。

 

 

あの時の光景と、

ぶどうの大きさを選びながら、店員さんに言い放ったあの一言。

 

「私お金払うんやから、選ぶ権利あるよね〜」

 

……なんでやねん。