昨日は月1回受講しているPTNA音楽総合力アップワークショップ
があり、巣鴨まで行ってきました。

講師はナントナント、「芸大のホロヴィッツ」と言われていた
ピアニスト:齋藤雅広氏。

私と同世代の齊藤さまは、藝大1年生の時に「毎コン」
今の[日本音楽コンクール]で抜群の演奏により優勝、
もう雲の上の人でしたが、そのお人柄は、超おもろい方でした~

まず、ご自身が幼少の頃からついていた田村宏先生の逸話から
もう、爆笑ニコニコ

田村宏先生と言えば、NHK教育テレビの「ピアノのおけいこ」を
思い出される方も多いと思いますが、齊藤氏はそれに出演されていたそうで、
そこから既に違います!

田村宏先生と言えば、もうそれはそれはお厳しいレッスンで有名、
私の同級生からも、ピアノの蓋のエピソードなど、聞いた事は
ありましたが、

齋藤雅広さん、それはそれは鍛えられたそうで・・・
滅多な事では凹まない精神力も叫び

大人の生徒さんを教えるためのエッセンスを教えて下さいましたが

プロでもアマでもやはり基本は大切、
ピアノ指導者は基礎を伝える役目があると力説されてました。
(内容を書いたレポートを提出してきてしまって、メモ書きすら今手許になく
 間違ってたらごめんなさい。)

その時のエピソードとして、
ある日突然コンクールを受けると言い出したら、
「今までのは全部違うから~」と言って基礎からやり直すとか。

子供には最初からヨーロッパの古典、
ケーラーなどをさせて、やはりソナチネ、ソナタに早くもって行けるように
モーツアルトやベートヴェンのソナタを弾けるようにする事が、
大切と仰っていました。

スラーのかかり方ですべて決まる事。所謂アーティキュレーションですね、
ベートーヴェンのOP.31-3の1楽章の最初の部分を、色々なCDで聴き比べ
コンクール審査のポイントなども教えて下さいました。

ハンス・リヒター=ハーザーのベートヴェンのソナタが一番原典版に忠実で
素晴らしいと絶賛されていました。

トリルの入れ方も、本場ヨーロッパのやり方でやらなければ
いけない事、西洋音楽はヨーロッパの音楽なので、
そのやり方でやるべき。

とこうして書くと、とっても真面目で正統的な内容ですが、
齋藤氏のお話しは、とってもユーモアにあふれているので、
ずっと笑いながら聞いていました。隣の友だちN子笑い過ぎ~

受講者の様々な質問にも実に真摯に答えて下さり、
私にとって雲の上の人も、本番の舞台の前には逃げたくなる事を
ユーモアたっぷりに、色々な逸話を出されて
お話しして下さいました。

何より驚いたのは、

齋藤氏の掌の肉球。ピアニストの手は内側が違う、

親指の付け根、外側に筋肉がついて、平べったくない
V字に筋肉がついていますが、
齋藤氏、そんなもんじゃありません!!!
各指の付け根に肉球、立派な盛り上がりが!

練習の証、ここまで来るのに、どんなにピアノと向き合ったのか?
その手が語っている感じがしました。

見た目はいつもニコニコ、すごい芸術家というより、
芸人のおじちゃん(失礼!おばちゃんに言われたくない??)
みたいな齊藤氏ですが(きっとサービス精神が旺盛なのだと思います)、

その中身は音楽に対してすごく真摯な、本物のすごいピアニストだと
思いました。

行ってよかった、今月も!音楽総合力アップワークショップは
講師の先生が素晴らしい方ばかりです。