昭和初期。海外旅行は大半の人には縁遠く,憧れの存在

客船全盛期の時代でもありました。

こちらは「照国丸」の1932年(昭和7年)5月14日のディナーメニュー表。

照国丸は1930年(昭和5年)に就航し,横浜~ロンドンを片道40日以上(スエズ運河経由)で結んでいた欧州航路の日本客船。

旅客の多くは地中海(マルセイユ)で下船し,ジブラルタル経由で最終目的地ロンドンまで乗船していた旅客は多くなかったとも聞いています。

本船は,1939年(昭和14年)11月にテムズ川河口付近で触雷沈没。幸いにして乗客乗員は全員が救助されましたが,当時の日本は第2次世界大戦では中立国。本船が第2次世界大戦で喪失した日本船第1号となりました。