『どんぐり喰い』エルス・ペルフロム/作 野坂悦子/訳 | おはなし大好き♪

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読書記録

2022.2.7


オランダ人の作者が描く

スペインの物語


作者の夫の幼少期の経験を聴き取り

物語にしたという作品


時代は

1943年〜1951

主人公の少年が

8歳から16歳になるまでの

8年間を描く


貧しさのため

学校へは1年しか通えず

父の手伝いから始まり

さまざまな仕事を経験しながら

家族を支える1人として

たくましく育っていく


この前に読んだ

『ザリガニの鳴くところ』も

命を感じたけれど

この作品にも

命があふれていて


生きるとは

そして

家族とは


ということを

考えさせられる

一冊


この本との出会いは

スペインの暮らしが

描かれていると聞いたこと


洞窟での暮らしや

生活の中に

歌や踊りがあって

物語の中にも

折に触れ顔を出す


フラメンコがもつ

魂の叫びが

心を射抜く

11


作者があとがきで

なかでも心を奪われたと書いている

9章は

想いがあふれる訳文

家族を想う主人公の言葉で

心があたたかくなる


ラストの一文が

とてもよかった

多分

今の自分に

ダイレクトに

響いたから


ほんと

物語は

読む年齢で

味わいが変わる

そこが面白い


そして

どの年齢の人も読めて

それぞれの年代にあわせて

響かせることができる作品が

やはり素晴らしい児童文学なのだろうなと

あらためて思う