ごっこ遊びの中で育まれるもの(3)~「ひと」に対する「想像力」 | 布おもちゃ作家&保育士「ゆっこせんせい」の   『布育®のすすめ~ちゃんと遊べば ちゃんと育つ』

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素敵なおもちゃがあると、遊びが豊かになります。
たっぷり遊んだ子どもは、心も体もすくすく育っていきます。
温もりあふれる布おもちゃで心も体もすくすく育つ「布育®」が、広がりますように!


前回は、「物」に対する「想像力」のお話をしました。


今回は、「人」に対する「想像力」=「思いやりの心」のお話です。

「ごっこ遊び」では、皆、自分以外の誰かにならなければなりません。
その時、子どもの「人に対する想像力」がフル回転するのです。

お母さん役になった時、
「ごはん、残さないで食べるんですよ。」と言います。

普段、自分が言われているセリフですが、
自分がお母さんになって、お料理を作って、子どもたちに食べさせる時は、
自然とお母さんの心になって
「一生懸命作ったごはん、ちゃんと食べて欲しいな」と思って言うのです。

また、ヒーロー役・悪者役になって戦っている男の子たちだって、
遊ぶたび、両方の役をやってみるからこそ、
「やられっぱなしは、悔しいな」とか
「本気でやったら、痛すぎるな」など、
相手役の気持ちや立場を想像し、
力の加減もできるようになっていきます。


「ごっこ遊び」の中で、いろいろな役になりきって、体験することで、
子どもは少しずつ、相手の立場に立って
「自分だったら、こう思うだろうな」と相手の気持ちを考えられるようになっていきます。

自分以外の人になる。
その為の「想像力」とは、すなわち、「自分以外の人の心に近づく」=「思いやりの心」なのです。

大人でも、立場の違う相手に真の「思いやり」を示すのは、簡単なことではありません。

でも、素直な子どもの心のうちに、いろいろな役になりきれる「ごっこ遊び」をたくさん経験し、
広い思いやりの心が育まれるといいなと思うのです。

(HP「ゆっこせんせいのおもちゃ箱>コラム」より)