私は、保育士として、12年ほど、保育園で働いていました。
その間に、二人の息子を妊娠・出産。
産休・育休をとり、職場復帰しました。
息子たちは、それぞれ、長男は生後11か月から、次男は生後5か月から、他の保育園にあずけました。
その後、私は、体調不良により、保育園を退職することになりました。
長男3年生、次男年長組の時でした。
退職は、残念でしたが、これで、ゆっくり息子たちと向き合えるようになる、と少しほっとした気持ちもありました。
そして、
仕事を辞めることを伝えた時の、長男の言葉。
「え!?お母さん、保育園の先生、辞めちゃうの?
病気治ったら、また、行けばいいじゃん。
辞めないでよ、お母さん。」
そんな風に言われるとは、思ってもみなかったので、とてもびっくりしました。
お母さんが、いつも家にいるようになること、喜んでくれるんじゃないかとさえ、思っていたから。
でも、同時に、とてもとても嬉しかった。
赤ちゃんの時から、ずっと預けて。
毎日毎日、慌ただしくて。
自分の余裕のなさから、きつい言葉や態度をとってしまったこともあった。
小学生になってからも、学童保育のお世話になって。
普通は、1か月ある夏休みが、学童のうちの子は1週間。
暑い中、がらーんとした学校へ通ってた。
参観日や行事の日は、なるべく有給とって、参加するようにしてたけど、
寂しい想いさせてるんじゃないかと、いつもどこかで気にしてた。
でも。
息子は、「保育園の先生」である私を、誇りに思っていてくれたらしい。
中学生になって、3日間の職業体験をする時、彼は、仕事先に「保育園」を選んだ。
反抗期で、会話も少なくなっていた頃だったけど、
その体験の期間は、園で出会った子ども達の様子を、嬉しそうに話してくれた。
高校3年生、進学先を決めるギリギリまで、将来の道を「保育士」か「もう一つの夢」かで悩んでた。
結局、二つを同時に目指すことはできないので、「もう一つの夢」を選んで、今は、その勉強をしているけれど、
私は、もう十分満足です。
一生懸命、働き続けてきたこと。
子どもなりに、受け止めてくれていたんだな。
応援してくれていたんだな。
って、わかったから。
今は、「布おもちゃ作家」として、まだまだ模索中の私ですが、
たぶん、応援してくれてると信じて、恥ずかしくない背中を見せるべく、頑張っています。