こんにちは 柳 弘子です
支援学級の生徒にとって
身辺自立はとても大切なんです。

その一つが着替え
将来、社会に出ると職場の更衣室で
着替えをすることが多くあります。
与えられたロッカーの前で
着ていたものをたたんだり
ハンガーに掛けたりしなければなりません。
しかも、自分が使える空間は狭いです。
だから、将来困らないために
今からしっかり練習しておきます。
生徒は登校してから更衣場所で
ジャージに着替えをします。
更衣室が設置されている中学校もありますが
ない学校もたくさんあります。
私が以前に勤務していた中学校では
教室の一角に
厚手のカーテンをつけてもらい
そこを更衣場所としました。
多くの小学生は、Tシャツに短パン
冬でもトレーナーなどで過ごしていました。
だから、中学校の制服を脱ぎ着するのは
慣れるまで時間がかかります。
男子のYシャツも女子のブラウスも
小さなボタンです。
袖のボタンは片手でやらなければなりません。
ブレザーも最初はボタンホールが堅くて
なかなかボタンがかかりません。
女子のスカートのベルトについている
ファスナーはコツがいります。
男子はズボンのベルト通しに
ベルトを通して、前にはファスナーがあります。
最初は、トイレの時に失敗する男子が
少なくないです。
中学の入学説明会の時に
保護者には、制服の着脱練習を
お願いしています。
生徒たちが着替えをする時
脱いだものをたたむために
台が必要です。
台がないと多くの生徒が
床でたたむからです。
折りたたみ式テーブルを更衣場所に
1台ずつ設置しました。
女子はブレザー、スカート、ブラウスを
それぞれしわにならないように
ハンガーに掛けます。
1本で足りる人もいれば
2本使っている人もいます。
男子はブレザー、ズボン、Yシャツ
をやはりハンガーに掛けます。
男子の場合、ズボンの折り目をそろえて
2つに折ってハンガーに掛けるのは
かなり大変です。
最初の1ヶ月くらいは
教員も更衣場所で補助しながら
見守ります。
慣れてくると生徒だけでの着替え
になりますが、制服がそれぞれ
きれいにハンガーに掛けられているか
教員が見回り、できていない生徒には
もう一度やり直しさせます。
6時間授業を終えて
ジャージから制服へ戻る時も
生徒によっては
とても大変なんです。
Yシャツやブラウスのボタンの掛け違いで
片方の襟だけが上に上がっていたり
Yシャツ、ブラウスをズボン、スカートの中に
うまく入れられなくて、ブレザーの下から
だらしなく出ていたり
ズボンのファスナーが開いていたり
ブレザーの襟が立っていたり
リボン、ネクタイが曲がっていたり
下校前も、教員たちのチェックは大忙しです。
私たち大人が直してあげれば
直ぐに終わります。
でも、それでは生徒にとって意味がありません。
鏡で一緒にチェックし
どこがおかしいかを確認して
もう一度更衣場所に連れて行き
できていないところから
本人にやらせてます。
上級生になると上手になるので
自分のことが終わった後
下級生の面倒をみてくれる場合もあります。
とても助かります。
そんな時は
「着替えのお手伝いありがとうね。
さすが3年生ですね。
きっと1年のAさんも嬉しいと思います」
と勇気づけの言葉を掛けます。
生徒の課題は一人一人違うので
私たち教員も、その生徒に合った
指導・支援を行います。
最終目標は
自分が立っているところのスペースで
5分以内に着替えを終えられること。
ただ「着る」のではなく、きれいに
「着こなす」こと。
生徒のプロを目指しましょう!