全部だきしめて | キミという名の翼で

キミという名の翼で

KinKi Kids堂本剛くんファンです。
アンチはお断り。
KinKi Kids、堂本剛ソロ名義の活動について思ったことを中心に書いています。

「全部だきしめて」
作詞:康珍化  作曲:吉田拓郎
1998年7月29日発売


KinKi Kidsの初期の楽曲で、言わずと知れた名曲「全部だきしめて」
1996年にKinKi Kidsと吉田拓郎さんが司会を務めたフジテレビ系
音楽バラエティ番組「LOVE LOVE あいしてる」の主題歌として、拓郎さんが書き下ろした曲であり、番組を代表する曲。


この記事を書こうと思って調べていて、「全部だきしめて」は、拓郎さんが先にリリースして、KinKiの方が後からのリリースで、言ってしまえば、カバーなんだ、と初めて知りました。


さて、この曲ですが、拓郎さんには申し訳ないですが、その独特な拓郎節のせいで、当時は、あまり好きではありませんでした。


でも、ある時、歌詞に注目して聴いていて、その素晴らしさに気づきました。


きみの全てをぼくの自由にしたくて
ずっと大切にしていた訳じゃない
だから 何も 信じられなくなっても
ぼくを試したりしなくていいんだよ

何かに行き詰まって、全てを信じられなくなっても、
僕を試す必要なんてないよ、と光一くんが優しく語ります。

続いて、剛くん

いいさ!落ち込んで誰かを傷つけたいなら
迷うことなく ぼくを選べばいい
寂しさの嵐の後で きみの笑顔を探してあげるよ

落ち込んで誰かを傷つけたくなったら、迷わず僕を選べばいい、
僕がその衝動的な感情を受け止めるから。

君が僕を傷つけて自己嫌悪に陥って、寂しさが襲ってきても、
ずっとそばにいるし、君が笑顔になれるまで
僕は一緒にいる、と剛くんが力強く歌います。

Bメロ以降は、ユニゾンで

きみがいたから 勇気を覚えて
知らない場所も 目を瞑って走れた
きみのためにできることを  あれからずっと探してる

君がいたから、僕は勇気を持てて、新しいことにも恐れず突き進むことができた。
だから、君が僕を必要としたいま、君のためにできることを探してる、となってサビに行きます。

全部だきしめて  きみと歩いていこう
きみが泣くのなら  きみの涙まで
全部だきしめて  きみと歩いていこう  
きみが笑うなら  きみの笑顔まで

このサビがね、落ち込んでいる君を、涙も笑顔も
そのまま受け止めて抱きしめるから、一緒に歩いて行こう
と語りかけてくるんですね。

僕が勇気を覚えたのも、君が何かしてくれたからじゃない、
ただ「いて」くれたから。
落ち込んだり、心細くなった時に、自分をそのまま受け止めて
ただそばにいてくれる存在ほど、励まされるものはないですよね。

続いて2番

ひとりになるのは 誰だって恐いから
つまづいた夢に 罰を与えるけど
間抜けなことも 人生の一部だと
今日のおろかさを 笑い飛ばしたい

誰も愛せず、誰からも愛されず、誰も信じられなくなって、
ひとりになるのは、誰だって恐いから、
道半ばでつまづいた夢に、自ら罰を与えてみるけれど、
そんな間抜けなことも、これから先続いていく人生の一部なんだと、今の愚かな自分(の失敗)を、未来では笑い飛ばしてしまおう。

なにかを ひとつ失くした時に
人は知らずに なにかを手にする
きみのためにできることを  あれからずっと探してる

人は、何かを失った時、嘆き悲しみの中から、優しさだったり、強さを手に入れる。
ここ、拡大解釈ですが。

全部だきしめて  きみの近くにいよう
星になった歌も  過ぎた想い出も
全部だきしめて  きみの近くにいよう
きみが黙るなら  きみにささやいて

全部だきしめて  きみと歩いていこう
きみが泣くのなら  きみの涙まで
全部だきしめて  きみと歩いていこう
きみが笑うなら  きみの笑顔まで


2番のサビは、君の過去も想い出も、君のことを全て受けとめ抱きしめて、君の近くにいよう、君が黙るなら、そっと君に囁くから。

そして、サビの繰り返し、「きみの近くにいよう」から「きみと歩いていこう」と、二人で歩み出す。



自分勝手な押しつけではない、大きな優しい深い愛情。
恋愛関係だけではなく、親子、友達、いろんな関係にあてはまる素敵な歌詞ですよね。


これを当時、アイドル全盛期の二人が歌って、メッセージを発信していた、と考えると、すごいことです。


この曲をリアルタイムで聞いていた時、私はまだ自分の中で壁にぶつかっていなくて、そばにいてくれる人の有り難さ、自分をありのまま受け止めてくれることが、どんなに励まされ、勇気づけられるか、に気づいていなかった。


「頑張って」とか「負けないで」とか、そういう直接的な励ましではないから。


「全部だきしめて」が、ベストアルバム「39」で、ファンのみんなが選んだ好きな曲10曲に入っていないのも、このあたりが理由なのかな。

しかも、あんなに番組で歌ったにも関わらず、光一くん、剛くんのFavoriteにも入っていないという不思議。


こんな良い歌だったんだ!って知ってから、この曲を聴くと、なんだか胸が暖かくなります。


KinKiのふたりにも、吉田拓郎さんにも、この歌をこれからも多く人に届けて欲しいです。



余談ですが、「抱きしめて」つながりで。

光一くんは「抱きしめたい」タイプ
剛くんは「抱きしめられたい(甘えたい)」そうです。

過去は振り返らない、今を着実に生きる男性的な光一くんと、繊細な故傷つきやすく、気持ちがやや女性的な剛くん、二人の性格や個性の違いが表われていますね。