まだ電球がそれほど普及していなかった時代。松下幸之助さんはつまらなそうに電球を磨いている従業員に向かってこう言ったそうです。
「君らはええ仕事してるな〜。よく磨いて“ええ顔”つくってや!」と。
「ええ顔?電球を磨く事の何がいい仕事なんだ?」従業員はそう思いました。
それを察したかのように松下幸之助さんは言いました。
「君たちが今磨いている電球で街灯がともり、多くの人が夜道を歩けるようになる。そしてたくさんの家にあかりが灯り、子どもたちは外が暗くなっても明るい部屋で本が読めるんや」
「君たちが磨いているのはただの電球やない。多くの人や子どもたちの“夢”を磨いてるんや」
「もの作りはただ“ものを作る”んやないで。その先にある笑顔を作り出してるんやから」と。
それを聞いた従業員は感動したと言います。
志を大きく抱く人ほど、小さな事でもしっかりやり遂げます。
なぜなら、その小さな事が大きな夢に繋がっていると信じているからです。
マネジメントの父で経営学者として知られるピーター・ドラッカー博士の著書に「三人の石切職人」の話があります。
ある建築現場で何をしているのかを聞かれた三人の石切職人がいました。
一人目の男は「これで食べている」と答え、二人目は手を休めずに「腕のいい石切の仕事をしている」と答えました。
そして三人目は目を輝かせて「国で一番の教会を建てている」と答えたと言います。
何のために、働くのか?
それは人それぞれだと思いますが、ただお金の為だけに働いても面白味がないですよね?
もちろん、お金のために働くのは悪い事ではありませんし、技術を高めるために働くのも悪い事じゃありません。
でも、やっている事は他の人と同じでも、志が違えば取り組む姿勢も変わってくるでしょう。
だから自分のやる事に誇りを持とう!
大切なのは何をしているか?ではなく、何の為にそれをしているか?なのだから。
実はドラッカー博士の石切職人の話には後日談があり、最後に奥にいた四人目の男がこう答えたといいます。
「私は皆の心のよりどころを作っている」と。
自分のやっている事に夢を持ち、小さく思える事でも大きな夢に繋げて取り組んでいきたいですね(^^)