勇気がある人間と
恐れを知らぬ人間は違う。
恐れを知らない人間の行動は軽率で、
そこからは何の理念も感じられない。
しかし勇気ある者は違う。
たとえリスクがあっても、
危険を承知で前に進める人の事だ。
リスクの語源はラテン語の「risicare」で、
これは「勇気を持って試みる」という意味である。
リスクを「危険」と訳すと誤解が生じる。
日本語の「危険」という言葉は、
英語では「danger(デンジャー)」に近い。
「危険」という言葉はどちらかというと
悪い意味で使われる事が多いが、
「リスク」はそうではない。
何かを得るためには必ずといっていいほど、
リスクはついてまわる。
だから「勇気を持って試みる」なのだ。
危険が伴う事を知りながら、
あえてその危険に出会う状況に身をさらし、
その上で何かを達成しようとする。
何を危険にさらしているかを自覚しながら、
恐れながらも前へ前へ進もうとする。
それが「勇気ある者」と言えるのだ。
勇気とは決して恐怖心を抱かない事ではない。
自分が恐怖している事を認める事なのである。
弱さを認める事から生まれる勇気がある。
弱い自分がいる。
臆病な自分がいる。
震えている自分がいる。
恐れている自分がいる。
でもそれも自分なんだと認め、
ありのままに受け入れる事ができたら、
そこから真の勇気が生まれてくるのだ。
だからありのままの自分を認め、
受け入れてあげよう。
勇気がある人間と
恐れを知らぬ人間は、
全然違うのだから。