ある日電車に乗っていると
一人の男が子どもたちを連れて乗車してきた。
男はイスに座ると黙って目を閉じた。
すると子どもたちはうるさく駆け回り、
大声で騒ぎ始めた。
男は黙って目を閉じているだけだ。
それまで静かだった車内は騒がしくなり、
乗客たちもだんだん苛立ち始めた。
「静かにしやがれ!」
「なんとかしやがれ!」
みんなそれぞれが小さな声でそう言っている。
私もイライラしていた。
いよいよ我慢できなくなった私は立ち上がり、
その男に向かってこう言った。
「あなたのお子さんたちが騒いでいて、
他の乗客の迷惑になっていますよ。
なんとかできませんか?」
すると男はハッとした顔をしてこう言った。
「これは申し訳ありませんでした。
すぐに子どもたちを大人しくさせます。
実はつい今しがた妻が…
あの子たちの母親が亡くなったのです。
これからいったいどうしていけばいいのかと考えるあまり、
周りが見えなくなっていました。
本当に申し訳ありませんでした。」と。
その瞬間、私の心は一変した。
それまでの男や子どもたちへの見方が変わり、
まったく違う考え方へと変わった。
状況が変わったのではない。
乗客たちのモノの見方が変わったのだ。
私を含め、周りの人たちの苛立ちは一瞬にして消滅した。
不思議な事でモノゴトの見方を変えれば、
感情が変わり、行動も変わっていく。
この話のように見えているモノだけでは気づかない側面がある。
実際に見えているのはほんの一面に過ぎないのだ。
違った面を見れば感じ方は大きく変わる。
だからひとつの見方に固執しないで、
時には違った視点でモノゴトを見るように心がけたいですね。
見方を変えれば、心が変わり、
現実も大きく変わっていくのだから…。
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