いちばんじゃなくて、いいんだね。

いちばんになること。

それが私のすべてでした。

人生は勝ってこそ意味がある。

いちばん以外は２番もビリも同じ。

とにかくトップをとるためだけに自分を鍛錬してきました。

こう語るのは元マラソンランナーで

現在は政治家としても活動している松野明美さん。

「いちばんになる事がすべて」

そう信じて走り続けてきた彼女の努力は凄まじいモノで、

人の２倍、３倍、それでも勝ってないときは、

４倍の練習をしていたそうです。

試練だらけの青春を過ごした彼女にとっては勝つ事がすべてで、

人に弱みを見せるのは絶対に嫌。そこから負けが始まる。

幾多の試練を乗り越え生きてきたことでその生き方が染みついてしまい、

がんばる人生。１番じゃなければ価値がない人生。

それが自分の存在証明だったといいます。

「勝つことこそ私の人生」

彼女は出会いも結婚も自らが頑張る事で掴み取り、

妊娠しても陣痛が来る前の日まで、毎日１時間、

約１５キロを走る習慣を変えませんでした。

がんばっていけば、人は必ずしあわせになれる。

がんばっていれば、人は必ずしあわせをつかめる。

そんな彼女が２度目の出産をした時、

人生が大きく変わる事になります。

「赤ちゃんは重い心臓病でした」

産まなければよかった。

なんでこの子を産んでしまったんだろう。

隠さなければ。この子の存在を隠さなければ。

でも生きてほしい。

今日も、明日も、明後日も。

ずっと未来まで生きてほしい。

わが子と代わってあげたいという自分と、

明るく元気なイメージの「松野明美」に、

病弱な子どもが生まれたなんて、

絶対に人に知られたくないという自分勝手な自分。

矛盾した２人の自分が存在し、

そのどちらの自分も本心で拭いようのない現実だったのです。

目も開かず、泣き声すらあげられない。

NICUのカプセルの中で寝ているわが子がかわいそうで、

涙がとまらない日々が続いたそうです。

２つの鼻の穴には細いチューブが入れられ、

そこから少しずつミルクを注入していく。

その姿が痛々しく思えて、彼女自ら授乳しようと試みても、

酸素が足りなくなってすぐに苦しくなり、顔が真っ黒になる。

１時間かかって、我が子の体重を計ってみても

１０グラムしか増えていない。

そう、苦しみながらも真っ黒の顔をしながらも必死でガンバっても、

１時間でたったの１０ccしかミルクを飲めなかったのです。

それでも彼女はそんな悲しみを我が子や周囲にさとられないように、

わざと明るく振る舞おうと努力します。

そんな彼女に病院の先生から、

さらに衝撃な言葉が聞かされるのです。

この続きについてはぜひ、

松野明美さんの著書「いちばんじゃなくて、いいんだね。」

を読んで頂ければと思います。

“明るい松野明美”のイメージを壊さないように、

誰にも知られないように必死だった松野明美さん。

テレビの収録では明るく元気な松野明美を演じながら、

わが子の事を誰にも気づかれないように明るく振る舞い、

彼女の心はクタクタになっていた事でしょう。

そんな彼女がわが子から学んだこと、

周りの助けや自分自身の経験を通して気づいた事を

こう言葉にしています。

競争で勝つことしか頭になかった私に健太郎は、

「自分のペースで走ることが一番大切」

であることを教えてくれたのです。

「人生は人との競争じゃない。

苦しくなったら立ち止まって、

自分のペースで走ればいい。」

【松野明美さんの名言】

一番を目指すのが“悪い事”なんじゃない。

今までの生き方が“間違っていた”わけでもない。

別の生き方もあるってこと。

過去があったから現在（いま）がある。

いちばんになることがすべてであり、

勝つことこそが人生と頑張り続けた日々があったからこそ、

気づけたこと、学べたこと、知ることができた事があるんですね。

松野明美さんの著書「いちばんじゃなくて、いいんだね。」 を読んで、

僕もまた大切なことを学ばせて頂きました。

ありがとうございます。

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