なみだいけ


詩  内田麟太郎
曲 樋口了一


ひとは 泣きながら
泣き続けながら
心になみだの池をこしらえていく
ひっそり泣こうとも
隠れて泣こうとも
なみだは知らず知らずに池になる

人はなみだのなくなる日を願う
そんな日が来ることを願う
けれどある日気づく
悲しみこそ 亡き人に繋がっているものと

池に写る白い雲
池に写る懐かしい人々

ほほえみながら
かけよりながら
うなずきながら
いつまでも いつまでも

ひとは 泣きながら
泣き続けながら
心になみだの池をこしらえていく
そのなみだの池を
大切に抱え
こぼさぬようにゆっくりと
歩いていく