起立性の診断後、コロナで3ヶ月ほど休校になった。
自宅でのネット学習はまともにやらなかったが、十分に休んだせいかすっかり元気を取り戻し、コロナ休校後、普通に登校出来るようになった。

部活も頑張って、塾にも通い出した。
 

その頃、遅刻は日常茶飯事だったし、授業中の居眠りが多いと怒られてはいたが、あまり深刻に捉えてはいなかった。

休みの日はよく寝ていた。ほぼ1日中寝ていた。いつしか12時間以上ぶっ続けで寝るようになった。
中3の夏休みには、夜19時半からの塾に起きられず、辞めてしまった。
夏休み中の部活も補習もほとんど行かなかった。

OD外来もこの頃まで通っていたが、もう薬も飲んでなかったし、面倒だから行きたくないというので通院をやめた。

その後は、休み明け等にたまに起きられず休むようになった。
でも月に数回程度で、それなりに行けていた。

完全一貫校なので、そのまま無事高校に上がった。
長男は自転車が大好きで、高校生になって自転車通学ができるのを楽しみにしていた。

ちょっと距離もあるし、電動自転車の方がいいんじゃない?という私の意見を押し切り、中3の冬休み中に、お年玉も足して自分で気に入った通学用自転車を買った。

4月になり、毎日自転車で通うようになった。
雨の日にも、暑い日にも、自転車に乗って学校に行った。
坂道もあり、相当疲れるようで、帰って来た時にはいつもぐったりしていた。
でも車やバスでは行きたくない、自転車がいい、と頑なに言い張っていた。


6月の体育祭前、担任に呼ばれ臨時で三者面談を受けた。
「授業中の居眠りが多すぎる。いくら起こしても起きない。ナルコレプシーだと思うので診断を受けて欲しい。診断がつかないと、授業中の居眠りは認められないし進級もさせられない」
そう担任に言われるまで、居眠りがそこまで深刻だったとは思っていなかった。

疲れてるんだろう、夜更かししてるんだろう、くらいにしか思っていなかったのだ。

慌ててナルコレプシーについて調べた。
しかし、当てはまらない項目が多いので、原因不明の「特発性過眠症」ではないかと推察した。

その面談の後くらいから、また学校に行けなくなった。

どうやら、学校で居眠りできない、休めないということがよっぽど辛かったらしい。
完全に起立性の症状が復活していた。しかも、悪化している。
頭痛、眩暈、立ち眩み、腹痛、頻脈、動悸、息切れ、その他ありとあらゆる自律神経の症状が出てしまっていた。


もう高校生になっているし、小児科にしかないOD外来は受診できない。

残っている薬を飲んでもまったく効かなかった。

どこに相談しても、近場では高校生の起立性を診れる病院はなかった。

とりあえず、診断をつけてもらわないといけないので睡眠外来のある精神科を受診した。
「睡眠の質が悪いせいだ。ぐっすり眠れる薬を飲めば治る」そう言われ、あんなに爆睡してるのにそんなことあるのか?と思いながらも出された睡眠薬を飲ませたら、頭痛が悪化した。

勿論、「睡眠薬でぐっすり眠れて朝はスッキリ起きれた!」なんてことはまったくなく、ただただ頭痛と睡眠時間が増えただけだった。

そこで過眠症の診断ができる国立病院を紹介してもらったが、検査は2ヶ月待ちの夏休み後だった。
その間にとりあえず脳神経外科や循環器内科を受診し、各種検査をしたがどこにも異常はなかった。

脳はとても綺麗、心臓も異常なし、脈拍も1日平均では100以下だから異常なし!(ほぼ寝てるんだから当たり前だ…ずっと起こしときゃ良かったのか)

うちでは診られません、精神科へ行ってください。

どこでも完全に精神病扱いだった。

この頃から漢方も色々試していたが、どれも効かなかった。

もしかしたら漢方薬にいちばんお金を使ったかもしれない。

ロキソニンすら効かない頭痛にずっと悩まされていたある日、偶然旦那が街で見掛けた「頭痛専門整体」を教えてくれた。
即ググって、その日のうちに施術を受けた。
受けた後、いつも項垂れていた長男が、見たことのない笑顔になって出てきた。

「頭痛がない!」という本を出している先生の系列の整体だが、まさに「頭痛がない!」と言っていた。
頭痛は頚椎2番のズレが原因である、というその先生の持論の通りに、長男も「頚椎2番がズレている」と言われた。
ストレートネックである、とも言われた。

しかし、脳神経外科で受けた頚椎のレントゲンではズレは指摘されてないし、ストレートネックではない、とはっきり言われたんだが…

まあしかし、本人が「頭痛が消えた」と言ってるんだから、事実なんだろう。
治すには週2回、10回程度の通院が必要、と言われ、回数券を買い、本も買って読み、10回通った。

結論から言えば、効いているのは施術後だけだった。
確かに効果はあるんだろう。
でも、週に2回、車で30分掛けて行くことを次第に本人が嫌がりだした。
痛くないのはその時だけだし、どうせ朝にはまた痛いし学校には行けないからと。

もう少し通っていれば完治した可能性もあったのかもしれない。
少なくとも、今まででいちばん効果があったのは間違いない。
しかし、1回8,000円、10回で7万2000円(確か回数券で1割引きだった、今HPを見たら1回10,000円に値上がりしてる!)の価値はないと判断。

頭痛だけに効いても、他の起立性の症状にはまったく効いてないし。
まあまたいずれいつか行くかもしれない。

可能であれば自分で自宅で施術できるようになるのがいちばん良さそう(そのためのスクールもある)だが、今は時間にもお金にもそんな余裕はない。

余談だが、この年だけ高校生の医療費補助がなかったのが本当に痛かった…医療費高すぎ。

そんなこんなで夏休みも終わり、2学期の始業式の日に出席した後、ほぼ不登校となった。


行けても午後の1~2時間だけ。

保健室で寝てるだけ。

テスト用紙に名前を書いて保健室で話をするだけ。
そんな日々だった。

そして、ようやく過眠症の検査入院の日が来た。

この日のために、1ヶ月以上睡眠記録と行動をモニターするセンサーをつけていた。
特発性過眠症の診断基準のひとつは「1日10時間以上の睡眠」
診断がつかなきゃ留年、つけてもらうしかない、だから、夏休み中はまったく起こさず寝かせていた。
1日14時間睡眠の上に昼寝。起きても起立性で起き上がれないからほぼ寝たきり。
その生活中に、完全に生活リズムが狂い、体力と筋力がなくなった。

その他の診断基準もらくらくクリアし、無事「特発性過眠症」の診断がついた。
これで配慮して貰える、進級できる!と思ったが、またしても甘かった…


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