しばらくぶりに城北公園を散歩した。

桜の花が満開。見事なものだ。

チューリップの花も咲いていた。

たぶん、この時期は東京が一番美しいころではないか。

桜の花言葉はいくつかあり、まず「精神の美」、

そして、「優美な女性」「純潔」「あなたに微笑む」などだという。

優美な女性といって、思い出す幾人かのひとがいるが、

わたしは桜の花言葉には

宿命とか運命という言葉が似合うような気がする。

鎌倉時代の歌人、西行の晩年の作品だという。

「桜の花の下にはたくさんの死が埋まっている」

そういったのは確か、昭和の小説家、坂口安吾。

みんな、お花見で楽しそうだったが、

わたしはなんとなく、神妙な気分で

咲き乱れる桜の花の花影を歩いていた。

木滑さんの本を作り終わった。

これが新しい本『木滑さんの言葉』の装丁。

達成感と虚脱感と両方が混ぜこぜになった気分。

今度の本は多分、いろんな人から批判されるだろう。

特に、元マガジンハウスに勤めていた人たち、

そういう批判を覚悟で、書いた本。

とにかく、この本を書かなければ、前に進めなかった。

Fin.