小泉今日子ちゃんの自分勝手にベスト10。

 

この子くらい、メディアのなかで、

いろんな光り方をしてきたタレントはいない。

才能というか、人間性というか、

テレビはその人がいくら着飾って、いい子を

演じて見せても、その人の正体をそのまま

見せてしまう魔的なメディアである。

 

デビューは1982年、16歳だった。

タレント生命は58歳になったいもま衰えない。

松田聖子や中森明菜は歌を歌ってきた印象があるが、

この人は歌を作ってきたなという感想を持っている。

この10年くらい滅多にテレビには出てこなくなったけど、

すっかりインテリジェントなレディになった。

そういう希少価値も付き纏っている。

わたしが持っているCDはこれです。

このCDの中には彼女の主なヒット曲50曲が収められている。

私は彼女のCDはこれ一枚しか持っていない。

2年くらい前に買った。

いい歌が多いが、こういう順位をつけた。

気になる歌をYOU TUBE で聴いてください。

 

    第一位 『木枯らしに抱かれて』

      アルフィーの高見沢俊彦が作った。

      綺麗にまとまった、形のいい歌。

    第二位 『見逃してくれよ!』

         この歌はこの人でなければ歌えない。

      本当はこの歌を第一位にしてもいいくらい。

      楽しくて、明るい、企画はずれで破天荒な歌だ。

    第三位 『なんたってアイドル』

      この歌もキョンキョンでなければ歌えない。

      真正面から衒いも躊躇いもなく、この歌を

      平気で歌ってみせる、そういう根性というか、

      スタッフの企画力にも敬服する。

    第四位 『あなたに会えてよかった』

      1990年代に入ってから(1991年)のヒット曲

      150万枚売れたという。

      80年代にデビューしたアイドル歌手たちの中での

      最大のヒット曲になった。この後、発表された

      『優しい雨』もミリオンセラーになっている。

        歌謡曲全体が衰亡していくなかで、

      新しい流行歌の不滅の可能性を提示している。

      作曲はサザンオールスターズを手がけた小林武史。

      作詞は小泉本人、美しいメロディラインにのせて、

      大人になった感性の世界を歌い上げている。

    第五位 『学園天国』

      この歌もキョンキョンが生き返らせた。

      15年くらい前にフィンガー5がヒットさせた歌。

      学校での勉強がいっぺんで楽しくなってしまう。

      こういう歌を歌いこなしてしまう才能を

      どう形容すればいいのだろうか。

      第二位にした『見逃してくれよ!』などの

      コミカルな内容を一気に歌にする活路を開いた。

    第六位 『My Sweet Home』

         これも、彼女が活発に活動していた1994年の歌。

      これも彼女の作詞。子供の頃の父親への思い……

      「大好きだった背中に揺られながら

      小さな夢を見てたあの日はいつまでも

      心の中の My Sweet Home 優しく包んでくれる」

      詩人としても侮れない抜群の言語力を持っている。

    第七位 『私の16才』

      デビュー曲。この歌も、

      タイミングをわきまえたいい歌だ。

     オリコン最高位22位と、大ヒットはしなかったが、

     よく頑張った。

     とにかく可愛く、ヤンチャな感じもよかった。

     童貞の男の子たちが大好きになってしまう歌だ。

     彼女の出発点になった。

     第二弾『素敵なラブリーボーイ』(オリコン19位)、

     第三弾『ひとり街角』(オリコン13位)、と着実に、

      同世代のファンを増やして、橋頭堡を築いた。 

   第八位 『夏のタイム・マシーン』

     シングル盤ではなく、ミニ・アルバムで発売された。

     9分以上ある長い楽曲。物語性を持った複雑な歌。

     少女と大人の女のあいだで揺れている心模様を、

     朗々と歌い上げている。これも力と

     キャラがなければ歌えないたぐいの歌だ。

   第九位 『渚のはいから人魚』

     初めて、オリコン首位を獲得し、

     シングル盤33万枚を売り上げた。

     キョンキョンのオシャレで

     楽しいキャラクターを確立した。この歌とか、

    『艶姿ナミダ娘』や『ヤマトナデシコ七変化』など

     このころの歌には独特の演劇性があり

     彼女に幅広いキャラをもたらした。

   第十位 『ハートブレイカー』

     完全なロックンロール。迫力のある歌いぶりだ。

     こういう歌も迫力満点に歌い上げる。

     このほかに『迷宮のアンドローラ』、

     『ひとり街角』なんかも捨てがたい端正な歌。また、

     第十位を『水のルージュ』にする考え方もある。

  

小泉今日子の歌、全体についての印象だが、

とにかく、スタッフと本人の努力を感じる。

先行していた松田聖子と中森明菜の二人に挟まって、

彼女たちにできない新しい冒険的な芸能活動を繰り広げた。

それが彼女自身の生き方にもなっていると思う。

うたっている歌も、彼女自身が作詞したものがかなりあり、

自分なりの歌を作るなかで、彼女自身も精神的に成長していった

そんな印象を受ける。

テレビに出てくるだけで話題になる、

そういう重量感のあるタレントになってしまった。

彼女自身の過激な努力と戦歴の成果だろう。

 

この話、ここまで。

次はThe Beatles の自分勝手ベスト10をやります。