今日午前10時から、今後の青葉・海浜の両市立病院の経営やあり方について検討する、第1回目の「千葉市病院事業のあり方検討委員会」が開催され、私も傍聴しました。10名の傍聴席は9時半に受付開始して、委員会開催時には記者席も含めて満席となりました。市民のみなさんの関心の高さがありますが、今後は具体的な議論に入るので、傍聴席を多くすることが必要と思われます。

 最初の委員会でしたので、委員長と副委員長の選任が行なわれ、委員長に九州大学名誉教授の尾形裕也氏、副委員長に千葉市医師会会長の斎藤博明氏が選出されました。委員会への諮問の内容や、千葉医療圏および両市立病院の現状と課題について病院局から説明がありました。説明資料は本日中にアップされるということなので、アップされましたらリンクを貼るなどしてお知らせします。各委員からの意見や質問についてはメモの程度なので箇条書きにしたいと思います。つたない文章ですみません。

(海浜病院の老朽化に関する意見など)
○私どもの病院も排水管の老朽化があった。病院を存続しなければならなくなると建て替えは必要になる。海浜病院の小児医療の機能を伸ばしていただきたいが、それだけでは…。
○経営的に苦しいものばかりだが、担っている役割は大きい。老朽化は早急な改善が必要。

(医療提供・体制に関する意見など)
○市全体の中で小児医療の分担はどうなのか。県立・国立病院との関係で俯瞰的なデータの提供を。
○特色ある医療があり重要な役割を果たしているが、なぜ赤字なのか。給与費、医師・看護師が多いのは。あくまで印象なので、もっとわかりやすく示してほしい。
○NICU(新生児集中治療管理室)・GCU(回復治療室)は、一般病床よりも多い人数配置となっている。必要数の検討は必要だが、減らせば良いというものではない。圏域の中でも重要な役割を果たしている。
○入院診療単価が低い。単価が高くなるような医療の提供を。かわいそうなのは海浜病院に整形外科がないこと。充実すれば伸びていく病院だと考える。
○高齢者医療について海浜病院が取り組むことが良いのか。中央区の激戦区に海浜病院が飛び込んで良いのか。医療需要をどう考えるのか。
○同じ機能の病院が2つもある。大学も医師を出しきれない。しっかり機能分化をしていくことが必要。
○急性期病床が過剰と言われているが、回復期病床についてはどのような方向性で考えているのか。
○病院機能を特化する、専門性を持つ病院として役割を果たしていく方向に。統合については2つの病院を統合ではなく、市立と県立、市立と民間の統合の考え方もある。
○病院機能が人口動態をつくっていくことも考えられる。立地適正化計画での位置づけと矛盾するものではあってはならないと考える。

(経営に関する意見など)
○診療科別の稼働状況などを見ていく必要がある。原価計算はどうなっているのか。
○青葉・海浜病院それぞれの性格をもって診療しなければならない。海浜病院を新病院とする場合、今の状況を生かして、充実する必要がある。統合しないといまの規模だと赤字を生みつづける。赤字であっても政策的医療は必要とは考えるが。長い将来を考えた場合は「統合」が必要、今ということではなく10年20年先のことを考えて。

(質問に対して病院局や病院長などから)
○人件費は高い比率を占めるが給与は他政令市と同じ水準、体制は多くなっている。
○海浜病院は特定病床105床となっており、NICU・GCUは70人体制。海浜病院全体の病床稼働率は金~日は50%台で、平日は70%台である。1,000グラム未満の新生児を診ているので役割分担はしている。体制がなくなれば遠くの施設にいかなければならず、最後の砦。稼働率が高いわけではないが、医療を必要とする患者が多い。
○冬期など繁忙期には看護師が必要となっていて体制を厚くしている。その他の時期について減らすことはできない。救急は高齢者の感染症が多い。今後は回復期も取り入れていく検討をしている。
○美浜区、花見川区の高齢者を診ていくためにはしっかりケアする体制がない。男性の泌尿器科、整形外科の充実など地域目線でニーズに応える。
○小児科だけでなく、それを支える体制がある。総合的に病院を設計していくことを議論の中に入れていただきたい。

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 傍聴しての感想ですが、今後も両市立病院が公立病院として果たしていく役割をあらためて感じたことと、市民や現場の声を反映できるような仕組みの委員会を望みたいと感じました。しかしながら、来年8月には答申を出す方向なので、私たちとしては、市民のみなさんへのお知らせや委員会傍聴を広くよびかけていくことも必要と思いました。

 次回の委員会は3月を予定しているとのことですので、開催日時が決まりましたら、こちらからもお知らせします。