私の一般質問の続きです。国民健康保険制度について取り上げて、保険料の引き下げなどの改善を求めました。その主な質問と内容です。

国民健康保険料について
【佐々木ゆうき】

 今年度から国民健康保険制度が広域化となり、県が財政運営の主体となりましたが、国からの財政措置が増えなければ国民健康保険制度の運営は困難であり、所得の低い方の多くが加入するなどの課題はなくなりません。全国知事会が財政支援について、今後も国の責任において確実に実施することや、国定率負担の引き上げなど様々な財政支援の方策を講じることなどを求めています。
 2016年7月4日の自民党の社会保障制度に関する特命委員会は「医療に関するプロジェクトチーム」を開き、国保の都道府県化に関して地方関係団体のヒアリングを実施した際に、当時の全国知事会の社会保障常任委員会委員長の栃木県知事は、国民の保険料負担の公平性と将来にわたる国保財政の基盤強化の観点から、「協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるには約1兆円が必要との試算がある」として保険料格差是正の必要性を要望されています。
千葉市において国民健康保険料を「協会けんぽ並み」に引き下げた場合に、加入者1人あたりの本人負担の保険料はどの程度引き下がる計算になるのか、伺います。

【保健福祉局次長】
 国保料は世帯の人数や世帯の総所得を元に計算するのに際し、協会けんぽの保険料では、世帯主の所得を元に計算することなどから、保険料を一概に比較することはできませんが、年間所得100万円の40歳以上の2人世帯の場合、千葉市国保では、今年度の年額保険料は16万1,950円となり、同様の世帯が協会けんぽに加入していた場合の年額保険料は18万4,276円で、事業者負担を除いた本人負担は9万2,138円となり、1人当たりの差額は約3万5,000円となります。

【佐々木ゆうき】
 今年度、市は保険料の引き上げを行ないませんでしたが、広域化後の県への納付金などの歳出に見合った保険料への改定を行っていくとして、来年度以降は3%程度の保険料上昇が見込まれています。保険料の滞納世帯は加入世帯の20%を超え、滞納世帯の88%が所得200万円以下の世帯です。常態化となっています。
 ただでさえ所得の1割以上になっている国保料がさらに払えない世帯を増やすことになるのではないですか。一般会計からの繰り入れを増やして、保険料の上昇を抑え、払える保険料にしていくことを改めて求めます。お答え下さい。

【保健福祉局次長】
 高齢化と医療の高度化などにより医療費の増加傾向が続き、これに伴い保険料も上昇が見込まれています。本市としては、保険者として実施できる歳入確保と歳出抑制の取組みを推進することで保険料の上昇抑制に努めた上で、今後も低所得世帯の負担増に配慮しながら、必要な保険料の改定を行っていきたいと考えています。低所得世帯に対しては、法定軽減制度があるほか、本市独自の減免制度も実施しています。保険料の軽減のためには、所得の状況を把握する必要があることから、低所得者の方にも所得を申告していただき、着実に軽減制度が適用できるよう、努めてまいります。

【佐々木ゆうき】
 負担に配慮するとしながら、必要な保険料の改定をすると、ある自営業者の国保料(上の表を参照)です。所得に占める負担割合がこれまで1割以上と言ってきましたが、2割負担近くになっていて限界です。こうした状況をつかんで国保料を引き下げることが必要ではないか。

【保健福祉局次長】
 制度を持続可能なものとしていくには、現行の制度に基づき決定した保険料を負担していただくことはやむを得ないと考えています。滞納処分をすることで生活が窮迫する恐れがある場合には処分停止を行なうなど、個々の状況に応じた適切な対応に努めます。

【佐々木ゆうき】
 都道府県化実施後も「一般会計の繰り入れは自治体の判断でできる」「生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ない」と厚生労働省は答えています。市民の立場に立って保険料の値下げや抑制に取り組むための努力を千葉市はすべきです。



保険料滞納世帯への保険証交付について
【佐々木ゆうき】

 滞納世帯からの正規保険証取り上げは、以前と比べれば減少していますが、受診抑制による重症化や全国的にみても死亡事例が後を絶ちません。
 保険料の滞納状況によって交付される窓口10割負担の資格証明書と6か月ごと交付される短期保険証について、今年8月1日現在の各区での交付状況について示して下さい。所得の未申告世帯、所得なし世帯を含め所得200万以下の世帯の資格証明書と短期保険証の交付世帯は、それぞれ資格証又は短期保険証を交付する世帯の何割を占めていますか。お答え下さい。

【保健福祉局次長】
 (資格証と短期証の交付状況は上の表を参照)資格証明書交付世帯の内、所得200万円以下の世帯の割合は85%、短期被保険者証世帯については80%となっています。

【佐々木ゆうき】
 繰り返しになりますが、国民健康保険制度は相互扶助の制度ではなく、国保法第1条にあるように「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と社会保障制度としての役割があります。国民皆保険という本来の役割に照らして、国に国保法第9条の保険証取り上げの制裁措置規定の改正を求めるとともに、特に資格証世帯の状況を把握して、まずは保険証を交付して対応するよう求めます。お答え下さい。

【保健福祉局次長】
資格証明書については、督促や催告など何度も働きかけを行い、滞納世帯の状況把握に努めたにも関わらず納付交渉に応じず納付意思が確認できないなど、やむを得ない場合に交付しているものであります。
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 今回の質問に向けた調査の中で、若葉区で自営業をされている方の国保料の状況をお聞きしたら、表にあるように2割近い負担割合になっており、保険料を払いきれない状況にあります。高すぎる保険料の軽減は待ったなしです。保険証についても、資格証と短期証が交付されている8割以上が所得200万円以下です。改善が本当に求められています。