9日は、特別史跡・吉野ヶ里遺跡の視察・調査に向かいました。吉野ヶ里遺跡は脊椎山南麓から佐賀平野に向かって細長く伸びた段丘の上にあり、長さ4.5キロメートルにもなります。以前、この土地は工業団地開発が計画され、埋蔵文化財発掘調査の中で、学術的価値の高い遺跡であることがわかりました。魏志倭人伝に記された邪馬台国の様子がうかがえる遺跡として、平成3年5月に国の特別史跡に指定されました。昭和61年度から平成24年度の27年で約414,000㎡を調査(費用14億円)、出土した遺物はコンテナ換算で1万9千箱。銅剣など青銅器、ガラス管玉などが国の重要文化財になっています。
 写真の北内郭には、祭祀儀礼や政事の場である主祭殿があり、中層部には当時の支配層の集会の様子、上層部には祭祀が行われている様子の展示がありました。


 さらに北に向かって歩くと北墳丘墓があり、その途中には土まんじゅうと甕棺が展示されています。墳丘墓の中は発掘当時の土をそのまま保存し、大型の甕棺も再現されていて、14基の甕棺には集落の王(男性)が埋葬されていたと考えられています。
 邪馬台国の存在について九州説と畿内説(奈良など)の論争があり、卑弥呼の遺骨が発見されれば、どちらかに確定すると言われていますが、古代のロマンを追い求める方にとっては見つからないほうが良いのかもしれません。視察を受け入れていただいた県職員さん、学芸員さんから丁寧な説明をしていただき、認識を深めることができました。ありがとうございました。