昨夜、比較住宅都市研究会主催の陸前高田市・長洞地区の復興の闘いと支援についてのお話を伺いました。中村きみえ市議(花見川区)に誘われて、同研究会に初めて参加しました。2012年にNPO復興まちづくり研究所代表理事として陸前高田市広田町長洞集落の復興に関わった濱田甚三郎氏と、地域計画連合代表取締役。1998年から仮設市街地研究会にて活動し、中越地震山古志にて5年、東日本大震災で福島県新地町にて復興まちづくりに6年関わった江田隆三氏から、長洞地区の復興への取り組みが話されました。

 冒頭、トルコ地震では住宅だけでなく、集会所、コンビニ、子どもたちが遊ぶ公園などの施設ができていたことなどを紹介し、仮設市街地の4原則として、①地域一括原則、②被災地近接原則、③被災者主体原則、④生活総体原則にあるとしています。江田氏は、仮設住宅についてはコミュニティ単位で住めるようにすること。「住」だけでなく「職の指導・復興の協議」の場として仮設市街地をつくることなどを提言されています。陸前高田市広田町長洞の仮設団地・長洞元気村の事例が紹介されました。集落の中で仮設住宅をつくるために集落の役員が動き、市にも建設の協議に行ったが断られたことなどをNHKで報道され、その情報をつかみ、江田氏や濱田氏が現地に問い合わせたところから、支援の活動が始まったそうです。

 濱田氏からは、仮設住宅への入居が始まり、生活再建・復興に向けて長洞復興懇談会を開き、防災集団移転促進事業を決定し、集落の復興に向けた取り組みが進められた経過が話されました。女性などを含めた長洞未来会議で話された内容がその後の復興事業につながっていったとのことです。高齢の女性でつくる「なでしこ会」、高齢の男性でつくる「浜人会」の共同による高齢者の居場所と出番のあるむらづくりのために、資金を調達し、番屋づくりが進められました。
長洞では先ほどの仮設市街地の4原則に照らすと、個々の取り組みがバラバラになり、復興の拠点になっていないのが反省とされて、復興がうまくいかないことが課題とされています。

 平時からのまちづくりでは、住民、行政、コンサルタント・専門家など多様な連携で進められているが、どこか1つでも欠けてしまうとなかなかうまくいかないため、多様な主体が連携して復興のまちづくりが求められているとのことです。
長洞でも子どもたちの教育が最優先として、長洞元気学校の設置など暮らしの中で必要なことを解決していくことが必要で、解決することによって子どもも住民も落ち着くことが実態としてあったそうです。

 この研究会には、UR都市再生機構や自治体、国土交通省の現役職員、関係者、民間企業、大学院生など色んな方々が参加されています。意見交換や感想を出し合い、みんなで考えることを基本にしているため、課題や問題点などが明確になっていきます。私は、日常から住民主体のまちづくりの必要性と防災意識を向上させるためにどのようにしたらいいのかを質問しました。今回初めてで緊張してしまいましたが、また参加をしていきたいと思います。