

今日、千葉市議会議員団研修会が開かれました。千葉市議会議員50名全員で構成する議員団で毎年研修を行なっています。「今、求められる政策~人口減少時代の地方行政」として、時事通信社編集委員で海外速報部長を務められている小林伸年(のぶとし)氏です。
冒頭、防災に関わることについて、昨年の茨城県常総市の鬼怒川氾濫や講師本人が住むマンションから撮影した多摩川の増水(2007年) に触れつつ、施設の老朽化問題やインフラの長寿命化、信号のない交差点(ラウンドアバウト)の設置の必要性を示しました。
日本創生会議が提言した人口減少問題から政府が打ち出した「生涯活躍のまち」は、雇用と経済活性化が伴わなければならないことや、農産物の輸出についてはまだ伸びしろがありASEAN諸国における中間所得層を対象とする販路拡大、さらに日本食レストランがアジアなどで人気が高くなっていることへの対応、国際観光客数増加と消費額増・インバウンド(訪日外国人旅行者)の呼び込み、観光交流人口による経済効果に目を向けることに必要があるとのこと。注意点としての経営戦略が必要なこと、日本人旅行者を落とさないこと、よその成功例を真似しないことだそうです。これらはあくまで人口減少を前提にしているとしています。
講師は、「出生率の下げ幅を大きくしていかないこと、人口減少に恐れないこと、ソフトランディングすることだ」「年金は世代間扶養ではなく、自分のかけた年金がしっかりと運用されるかだ」と力説しています。
2000年からの地方分権時代の到来により地方自治体の役割が大きく変化している中で、講師の見立てとして、議会も変わらなければならない時に古いままのところがこの間の政務活動費問題が出ているのではないかとの話がありました。若年者の中で自殺者数が事故や病気よりも多いことから、お金はかけなくても「考えているんだよ」というメッセージを送ることが必要と。
「連携中枢都市圏構想」の打ち出しで、「人口流出を留める政策を打ち出してほしい」。市民との関係では「首長が見る人口が多すぎて、一人ひとりに目が行き届かない」「住民の声を吸い上げて行政を身近に考えてもらえるようにしてほしい」「コンパクトシティを考える際も高齢者を中心市街地に呼び込むのではなく福祉バスを走らせて、福祉的に対応すること。基本的にはコンパクトシティには反対」「都市圏と地方の子どもたちと交流させる」こととのこと。
「千葉市の魅力は何だ」を突き詰めることについて、千葉市の魅力は講師曰く「婦人服の支出額」「電動歯ブラシへの支出額」など身だしなみに関する支出が多いが、どこで購入しているのか、地元で購入する対策が必要ではないのかとの指摘がありました。また「あるものを生かす」という点で豊後高田市の昭和の町の取り組みが紹介されました。
講演内容の評価は別として後半の部分、千葉市の分析については興味深いものがありました。