
今日は議会最終日で、議案や請願に対する討論を行いました。議案についても討論しましたが今回は請願についての討論です。討論項目に加えて、請願者を記載してます。
請願第6号・「医療・介護総合推進法案」の動向をふまえ、現行サービスが後退し ないよう対策を求める請願についてです。請願は千葉市高齢者・障害者の介護を良くする会から提出。
請願の内容は、国会で審議中の法案について、参議院で十分な審議を期待しつつ、 採択された場合でも必要な方が適当な支援を継続して受けられるよう、安心・安全の 地域包括ケアの構築を求めるものでした。
ところが「医療・介護総合推進法」は、参議院厚生労働委員会で、わが党の小池晃 参議院議員が、介護保険導入後初めてとなる一定所得以上の人のサービス利用料を2割負担に引き上げる問題で、厚労省が示した数字が、高齢者の生活実態からかけ離れていたことの指摘で、厚生労働大臣が介護保険利用料2割負担の根拠を全面撤回した 法案でした。こんな法案を採決にかけること自体許されるものではありません。その後、18日の参議院本会議で自民・公明の多数により可決・強行されました。
わが会派は、委員会審査の際に、根拠の崩れた法案は廃案にすべきだが、厚生労働 大臣が「法案の考え方は変えない」としていることから、請願への賛意を求めました。 しかし、他の会派は、「請願の主旨や考え方は理解するが、タイミング的にどうか」 などの理由で反対し、不採択となりました。この判断は、今後の社会保障のあり方に 禍根を残すものであり、介護サービスの後退を許すことになることを厳しく指摘して おきます。
第7号・市民が納得できる市庁舎建設計画を求める請願についてです。請願は、あたらしい千葉・みんなの会から提出。
この請願は、広く市民の意見、要望を聞く場を設けることなどを求めたものです。現在、多くの市民は、厳しい財政状況の中での新庁舎建設について、状況を知らされておらず、納得もしていません。
また、他都市では、公共事業の設計労務単価や工事資材の高騰の中で、総事業費が 高額となり、延期するなどの問題が起っています。習志野市では、建設資材の高騰などで、当初の約76億円の建設費が大幅に上回り約109億円となり、市民から問題とする声が上がっています。木更津市では、入札参加者がなく、延期せざるを得ない状況となりました。その原因は、労務費や資材価格の急激な高騰により、事業者の見積額が市の予定価格を上回ったためです。 こうした状況を踏まえれば、市民の声を広くつかむ取り組みがさらに必要となっていることは明らかです。 ところが、他の会派は「議論を後戻りさせるもの」「この期に及んで、市民の声を聞く必要がない」などの理由で反対し、不採択としたことは遺憾です。
請願第8号・小中学校・特別支援学校のすべての教室にエアコンの設置を求める請願についてです。請願は、新日本婦人の会千葉支部から提出。
子どもたちが安心して勉強や部活動を行なうためにも、学校の教室にエアコンの整備を行なうことは急務の課題です。千葉市では、今後特別支援学校や学級についての エアコン設置は行なうものの、学校の老朽化、トイレの改善、教員配置を優先させる として、2,800ある普通教室へのエアコン設置は、難しいとの見解が示されました。
わが会派は、学校へのエアコン設置について兼ねてから求め続けてきました。政令市では20市中10市で設置済み、または設置中であり、関東の政令市で設置計画さえないのは千葉市だけです。すでに政令市で設置しているところでのメリットについて、教育委員会からは、「集中力、学習意欲の向上がみられた」「夏季の補習授業で活用できる」「夏季において短縮授業を解消できる」「文化系の部活動も普通教室を活用して対応できる」「熱中症のリスクを軽減できる」「生徒が食べる完食率が向上した」 と報告されました。デメリットでは、「温度の変化で体調を崩した児童がいた」との ことですが、これは、運用面で調整することで対応可能です。
請願に対し、公明党は「重要なこと」と指摘しながら、「考えが異なる」と反対。 自民党は、「エアコン設置を国が実施するよう求めている」と言いながらも、「願意は わかるがまだ先」と反対。また、「汗をかいたあとにエアコンで冷えて体調を崩した。 ある程度耐える精神、鍛えることも必要」と主張し反対しています。民主党は、「必要性は認識している」と言いながらも、「財政面、緊急性から困難」と述べました。 子どもの立場に立っているとは言い難いものがあります。
すでに、エアコンを導入している政令市では、厳しい暑さが続く夏場においても子どもたちがしっかりと学べる快適な学習環境を整えるとの理由で、小・中学校の普通 教室にエアコンを設置しています。「学ぶ環境を整えてほしい」と願う保護者の声に 応えるべきであり、日本共産党以外の会派がすべて反対したことで、不採択というのは、極めて遺憾です。