
今日、千葉市議会が閉会しました。日本共産党市議団は2014年度予算の組み替え動議を提出し、野本信正市議が行ないました。ほぼ全文を掲載します。後半部分は「続き」をクリックして下さい。
提案の趣旨は、安倍政権の暴走により生活苦、福祉後退が深刻な下で、一般会計が前年度比158億円増、3,753億円過去最大の新年度予算を、市民生活の擁護と向上をはかる予算に転換することです。
【組み替えを求める理由】
熊谷市長が提案した予算の特徴の一つは、市民の暮らしを直撃する多額の負担増を 押しつけるもので、公共料金値上げ、消費税増税3%分転嫁、家庭ゴミ有料化の合計 28億3,000万円にのぼる市民負担増の予算です。この中で、国保料10億3,400万円の改定は、平均6,000円、5年間で73億円値上げが想定されるもので、支払い困難と安心して医療を受ける権利を奪いかねないものです。また、新規事業は108件30億円でありますが、そのうち高齢福祉は僅か4事業、1億5,600万円しかありません。
市長のトップタウンで行った敬老会補助金改定は、出席困難者への記念品配布の中止や、一人あたりの補助金が最大58倍の不公平など、関係者に混乱を与えているのに是正されないままであります。そして、負担増について市長は、昨年も4年前と同じ「必要最小限の見直しを行った」との答弁です。しかし、市民生活の実態は、深刻なデフレ不況とアベノミクスに加え、16年ぶりに消費税増税になる非常事態の下であり、この実態を把握していない、市民に冷たい対応は大問題です。負担増を中止し、市民生活や高齢者を犠牲にすることを止めて、「福祉の増進を図る」地方自治体の本旨に沿った予算にすることを提案するものです。
【組み替えの財源について】
第1に、急がなくて良い千葉駅西口再開発、蘇我スポーツ公園整備等、大型開発9事業に係る予算合計22億8,933万円を見直す。第2に、未来への投資、マニフェスト関連事業、グランドデザインのうち、緊急性、必要性の視点から、事業費総額60億円を80%に縮小見直して、12億円を確保します。第3に、国直割事業負担金や県事業負担金の中止を求める。第4に、不公平な扱いを受けている県単独事業補助金15億円余の是正。第5に、資本金10億円以上法人市民税均等割を制限税率一杯に課税する。 その他であります。以上、合計約78億のうち、補助金などを差し引いた予算を組み替え財源とします。
【組み替え事業について】
組み替えて実施する事業は、主なものを申し上げますと、国民健康保険料値上げ、消費税増税3%分転嫁、家庭ゴ ミ有料化など負担増の中止。敬老会等経費の助成を75歳以上1人650円の復活。 防災・減災では、避難所予定施設へのマンホールトイレ・非常用井戸設置を増やす。 生活密着・循環型事業の促進、雇用の増大。少人数学級の推進、就学援助制度を改善して利用の拡大、などであります。
【組み替えで地域経済を元気に】
最後に組み替えを行って、市民が元気になる予算にすることであります。熊谷市長はマスコミへの新年度予算の説明で、「財政健全化は極めて順調に進んでいる。ちょうど5合目まできた。それを踏まえ、いよいよこれからの発展につながる分野に様々な投資ができるようになった」と述べています。そして未来への投資、マニフェスト関連事業、グランドデザインなどへ積極的に投資しているし、市役所本庁舎整備を、ただちに着手することも予算化しています。議案審査を通じてはっきりした特徴を一言で言えば、「財政健全化がある程度進み財政に余裕がでてきた、市税も増収見込みなので、新しい課題や懸案の事業を、この際一気進める予算」であります。
どこに問題点があるかといえば、財政健全化がある程度成果を挙げている背景には、「市民サービスと福祉予算の削減で市民に多大な犠牲を強いてきた」結果であり、熊谷市長の新年度予算を含めた5年間に約121億円もの削減がされています。また、職員給与・退職手当ての削減は78億円を超えています。
財政健全化によって得られた果実は、削減された市民サービス・福祉にこそ、還元されるべきであります。熊谷市政の問題点は、「市民生活の厳しい実態を正確に把握していない」ことであります。2014年2月12日現在、市民税納税義務者の課税標準額は、100万円以下が32%、200万円以下は60%であります。300万円以下まで広げると、実に75.9%になります。
このように少ない所得で必死に頑張っている圧倒的多くの市民に、光を当てて、市民生活を応援する予算に組み替えることを求めて、提案理由の説明とします。