今日、岩手県西和賀町の旧沢内村に行き、乳幼児(子どもの)医療費助成制度と老人医療費給付制度、沢内病院について視察をしました。西和賀町は、旧沢内村と旧湯田町が合併してできた町です。西和賀町の人口は約7千人、65歳以上の人口比率は約41%と高齢化が進んでいます。そうした中で、65歳以上の高齢者の健康を保持し、経済的負担を軽減する目的で、老人医療費給付を行なっています。通院では自己負担1,500円を超えた医療費については無料であり、入院については5,000円を超えた分についても無料にしています。
この間の法改正によって、制度が変わる中でも、沢内村で生命行政を築いた深沢村長の掲げた理念はいまも活かされています。老人医療費給付については、沢内病院では現物給付がされています。沢内病院であれば、患者をデータで把握できるため、先ほどの限度額を超えた分の医療費については直接、担当課へ請求できるのです。
自治体病院の抱える問題は医師と看護師の確保です。県との連携が重要になってくるとのことでした。沢内病院は地域医療を担うため、地元で透析が受けられるように人工透析を再開させたり、母子センターをリハビリ室に転用するなどの様々な努力がされています。下の写真のリハビリ室の壁には、深澤村長の有名な言葉「住民の生命を守るために私は命を賭けよう」が掲げられています。
また、委託で患者さんを送迎するバスを無料で町内を走らせています。朝、お弁当を持参して、夕方に帰る高齢者の方もいるとか。地域になくてはならない病院であると実感しました。
旧沢内村は、周辺を山に囲まれた豪雪地帯、2mもの積雪があるそうです。この景色は昔も今も変わらないのでしょうね。沢内病院前のバス停から撮影した景色です。路線バスは本数が少ないため、沢内病院の視察後、ほっとゆだ駅へ。30分ほどで到着し、秋田県へ向かいました。