
まず独立行政法人(以下、独法)は、本来国が行なっていた仕事を「行政の減量化」とし、国から機関を離してつくった法人です。「天下り」の問題がありますが、25日のNHKの討論番組で、笠井あきら衆院議員が「独法が踊り場の役割を果たしている部分がある」「独法がある限り天下りがなくならないのではなく、天下りがある限り独法を使う関係になっている」「天下りそのものを厳格に禁止すべきだ」と主張しました。そのうえにたって、「事業仕分け」全体の議論を、「立法府である国会が行政に対するチェック機能を果たすべきで、当事者や役人は参考人に、国民の意見を聞いて、国会の役割を果たすべき」と提起しました(26日付け『しんぶん赤旗』)
UR問題は、「赤字」だと言って、賃貸住宅事業にも手をつけようとしています。この流れは、前政権の流れも受け継いでいます。住宅困窮者を生み出した原因は、国が住宅確保をもっぱら個人の責任にしてきたことにあります。住生活基本法には、「居住の権利」は明記されておらず、公営・公団住宅などの公共住宅の提供などを変えて、住宅供給を市場に委ねる政策を取ってきました。
国の責任で住宅を確保することはなくなっていき、自治体も公営住宅を供給を建設せず、市場任せにしてきました。しかし、実態は国や自治体が住宅確保しない結果、特に高齢者や所得の低い世帯は、公団の住宅に入居せざるをえないのが現状です。つまり、公営住宅の役割を公団住宅が担っています。UR賃貸住宅の事業は、家賃値上げや定期借家契約など問題点はあるものの、この事業は黒字となっています。URがなぜ赤字なのかといえば、千葉市も例外ではない「蘇我臨海開発」の基盤整備のために、多額の税金が注ぎ込まれるなど、全国各地で再開発・都市再生事業を行なってきたことに「赤字」の原因があります。
前述した笠井衆院議員の発言にあるように、UR賃貸住宅については居住者の声を聞いて、事業のあり方などしっかりと議論していくべきではないでしょうか。
私も現在、賃貸住宅の居住者です。居住者の状況は、高齢者や若い子育て世代、低所得世帯が現状です。ここに光をあてて、住宅政策を考えるべきです。