先日の伊達市の視察の翌日、札幌市のこども未来局で「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例」、いわゆる「子どもの権利条例」の制定について、こども未来局の担当職員からの説明と、札幌市子どもの権利救済機関である「子どもアシストセンター」について調査をしました。
 2003年に当時の市長の施政方針で「子どもの権利条例の制定」が明記され、制定へ向けた取り組みが開始されました。その取り組み経過は以下の通りです。
05年4月 「札幌市子どもの権利条例制定検討委員会」発足
06年2月 「札幌市子どもの権利条例子ども委員会」発足
06年7月 条例素案に対するパブリックコメント
 ※子ども用・大人用の条例素案の説明を作成し、3,504人からの意見
■07年2月 「札幌市子どもの権利に関する条例案」を議会へ提案し、否決
■07年8月 「札幌市子どもの権利条例検討会議」の設置
08年2月 条例素案に対する2回目のパブリックコメント
 ※子ども、大人から383人から意見
■08年5月 「札幌市子どもの権利に関する条例案」を議会へ提案し、継続審議
 ※議会に、720件の請願・陳情が寄せられる。その後、フォーラムなど開催
■08年11月 名称が「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例」と修正の上、可決
■09年4月 条例施行。「札幌市子どもの権利救済機関(子どもアシストセンター)」開設

 このような経過のもとに条例がスタートしています。「子どもの権利条例」は、児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約に基づいています。自立した社会性のある大人への成長、子どもの視点のまちづくり、子どもがいじめや虐待から守られる権利、権利の侵害からの救済が目的です。
 子どもの権利条例は川崎市、名古屋市、札幌市で制定されています。その他の自治体でも、制定されているところもあります。広島市が制定に向けて取り組まれています。


 「子どもアシストセンター」の運営は16名で、その内、救済委員2名(弁護士、臨床心理士)の方が非常勤で担当されています。月曜日から金曜日は午前10時から午後8時まで。土曜日は午後3時まで開設されています。友人関係の悩みが多く寄せられています。1人で直接センターに相談に来る子どももいるとのことです。
 写真上は、子どもアシストセンター前。写真下は、センター内の相談室。窓の無い部屋もあるので、プライバシーは守られます。