日本の大学の学費は異常に高いのです。国立大学で平均80万円、私立大学で平均130万円です。あくまで平均です。「国立大学を受けたのは、下にいる兄弟たちに迷惑をかけたくない、親に負担させたくないから」と、ある受験生(大学は合格)がつぶやきました。中には、「親から国立だけと言われているから」という受験生もいます。

 日本の学費は、世界から見ても異常なほどです。160ヶ国が加わっている国際人権規約では、『学費を段階的に無償にする』としていますが、この条項を留保しているのは、何と日本とマダガスカル(アフリカ大陸の横にある島)だけです。
 ほとんどの先進国では授業料が無料か、きわめて低額に抑えられ、返済しなくてもよい給付制奨学金が中心です。あのフィンランドでは授業料はゼロに加え、奨学金があります。生活費という概念です。
 昨年、国の2010年度予算の概算要求では、大学学費の負担軽減の予算が上がりましたが、本予算では計上されませんでした。少なくとも、先進国までとはいかなくとも、学費の負担軽減に踏み出すべきです。