奨学金が導入されたのは、何と戦時中のことでした。大日本育英会(日本育英会の前身)で、「奨学金は身分の上下に拘わらず、すべての国民に」として始まりました。世界に先駆けて奨学金制度を導入されたのです。

しかし、中曽根内閣時の臨調行革によって、「受益者負担論」(利益を得るのは学生さんだからその分負担を)を理由にし、無利子枠がどんどん削られ、今では有利子枠が全体の7割を占めるまでになりました。
その結果、高校・専修・大学(院)を卒業したら、数百万~約一千万円の返済が待っています。

世界は、いま学費の無償化や低く抑える方向で進んでいます。アメリカは学費が高い分、給付制奨学金が充実していますし、ヨーロッパでも基本的に学費はないか、20万円以下がほとんどです。それでも給付制奨学金があります。若者は「社会の担い手」として、経済的理由で教育の機会を奪ってはならないとの国の考え方があるからです。