大阪市は関西の中心的な大都市で、2005年の国勢調査で約260万人、昼間人口は約360万人と大阪市外からの流入人口が多い。ちなみに千葉市はどうかというと、東京への通勤圏ということもあり、05年の調査でも12.8%で約20万人が市外へ流出しています。こうした状況から2007年度の国税と地方税を合わせた額は5.3兆円ですが、市税として大阪市に入る割合は12.2%に過ぎないということでした。08年予算での市税総額は6,868億円となっています。
大阪市は都市化が早く進んだということもあり、65歳以上の老齢人口と高齢単身者の割合は、全国・政令市平均を上回り、少子・高齢社会が進んでいることや、都市基盤と生活環境の整備によって、諸施設の更新時期を迎える状況にあるとのこと。
財政の状況はどうか。個人市民税は92年をピークに減少、法人市民税も89年をピークに減少し、さらに固定資産税・都市計画税についても96年をピークに減少しています。逆に扶助費や管理運営費(物件費)の義務的経費が増加し、一般財源の99.7%(07年度)が義務的経費に充てられ、依然と「財政の硬直化」が続いている状態です。
大阪市でもどこの政令市も共通する課題ではありますが、大阪市では、経費削減の取り組みとして人件費の削減を進めていますが、退職不補充で新卒採用はこの間していないということでした。また、市債発行額と公共事業費の削減を進めてきています。
千葉市と大阪市を比較したり、大阪市の財政健全化に向けての取り組みを千葉市にそのまま当てはめることはできないので、お伝えするのみにします。

■予算規模(全会計)3兆8,560億円(千葉市:6,896億円)
■市税総額(08年度)  6,868億円(千葉市:1,850億円)
■市債残高(全会計)5兆3,058億円(千葉市:1兆790億円)
■市債残高(一人当たり)201.8万円(千葉市:116.7万円)
■実質公債費比率    11.8%(千葉市:19.6%)
■将来負担比率    263.8%(千葉市:311.6%)
■経常収支比率     99.9%(千葉市:96.5%)